愛せよ沖縄

2012年10月 4日 (木)

★…「ニウスな夜」第10夜は「沖縄の逆襲」をやりました。


 等身大のニュース解説「ニウスな夜」も、早いもので第10夜を迎えました。今回のお題は「沖縄の逆襲」。大きく変わりつつある沖縄の現状について解説したのですが、3日は5人、4日は12人が話に耳を傾けてくれました。沖縄についてはなかなか話が入ってこないからでしょうか、終わってあれこれ盛り上がりました。





 さて、沖縄というと、もっぱら観光と米軍というイメージでした。その経済も、「基地、観光、公共事業」の3つの「K」が引っ張る「3K経済」と呼ばれてきました。それがここにきて、アジアの主要都市が空路4時間圏内という地理的なメリットを生かし、周辺経済を取り込むことに成功しつつあります。例えば、物流。全日空とヤマト運輸がタッグを組み、日本とアジア各地を結ぶ2009年に航空貨物のハブを那覇空港を置いたことで、なんと荷物取り扱い量が160倍に急増、いちやく国内第3位に急浮上してきました。

 国はこれまで、5次にわたる「振興計画」で沖縄の振興を図ってきました。その中で沖縄には「特区」が設けられたのですが、那覇空港と「特区」の組み合わせこそ、アジア全域を視野に入れたサプライチェーン・マネージメントにぴったりなのです。ヤマト運輸は今年度中に空港での24時間通関を開始しますが、そうなると、日本~アジアの間のモノの移動は「1日の関係論」に収まります。人の移動に関しては、今やソウルや香港にハブは奪われてしまいましたが、アジア経済が日本を中心に回っていること
を考えれば、物流のハブが日本にあることは大きな意味を持ちます。


 
 アジアの主要都市が空路4時間圏内……その切り口がさまざまな産業にインパクトを与えています。沖縄訪問を条件に外国人にマルチビザが発給されるようになったことで、中国を筆頭に海外からの観光客も増えており、それに合わせて外資系のホテルの進出が相次いでいます。これからも、マレーシアやシンガポールなどのアジア資本による医療ツーイズムなどを取り込んだ大型リゾート開発が目白押し。その足となる旅客便の那覇進出も急増中で、これから第二次「リゾートブーム」の到来が期待されています。
 
 また、再生可能エネルギーやITインフラの整備が進み、最先端技術の研究に特化した沖縄科学技術大学院大学の開校など産業インフラの整備が同時に進んでいます。その整備が進むことで、「アジア・マーケット」を睨んだ製造業の誘致にも弾みがつくという、新しい循環が生まれてきているのです。沖縄県の人口は現在140万人ですが、都道府県の中で最後まで人口増加が続くことから消費も旺盛で、シンクタンクの分析では、これから2020年までの実質成長率はなんと全国トップです。
 
 沖縄のGDPは4兆円。パイ自体が大きくなっていくのですから、2000億円の基地経済の存在感はどんどん低下しています。一方で那覇新都心という再開発の成功体験(基地を商業施設や住宅などに転換した方が経済的効果が高いことが証明されたこと)で沖縄は自信を持ちました。沖縄の人たちの米軍基地返還要求について、イデオロギーが絡んだり、「本土からの支援をもぎとるための方便」と見ていました。それがいまや、基地という膨大な土地の商業開発で稼ぎたいという話に変わってきている、我々はそれに気付くべきです。
 
 つい最近、毎日新聞に松島泰勝・龍谷大学教授のインタビュー記事が掲載されました。語っているのは「沖縄独立」。我々にとってショッキングな話ですが、 自分たちは「日本の植民地の民として基地を押しつけられるという差別を受けている」と思いを率直に語り、基地を押しつけるばかりの日本からの解放を訴えた ことで大きな反響を巻き起こしています。そういう意見が台頭するのも、「経済的自立への手応え=基地経済からの脱却」、沖縄の人たちの中がそれに自信を持ち始めたからでしょう。
記事の背景には、そういう沖縄の空気があるということです。
 
 本土復帰を願う沖縄を、思想家の吉本隆明はかつて「本土中心の国家の歴史を覆滅するだけの起爆力を伝統を抱え込んでいながら、それをみずから発掘しよう ともしないで、たんに辺境の一つの県として本土に復帰しようなどとかんがえるのは、このうえもない愚行としかおもえない」と批判しました。しかし、日本に すがるしかなかったあの時の沖縄にはそれしかなかったのです。しかし今、彼らには周りには豊かなアジアがあります。沖縄からの「基地返還」というメッセージは
変質し、実は「我々への決別のメッセージ」かもしれません。琉球王朝は450年、日本の下に入ってまだ200年。彼らが彼らの道を選ぶという可能性も充分にあるのです。

 

2012年9月26日 (水)

★…次回の「ニウスな夜」第9夜は「沖縄の逆襲」でいきます!


 さて、等身大のニュース解説「ニウスな夜」です。私が折々のニュースについて、資料を使いながら2時間ほど解説をしていますが、次回は10月3日(水)、4日(木)午後7時半から行います。これまで「女性宮家」、「橋下旋風」、「尖閣諸島問題」、「原発」、「北陸新幹線」、「年金」、「生活保護」、「竹島問題」、「エネルギー新時代…メタンハイドレート」と続けてきましたが、次回のお題は「沖縄の逆襲」。自立しつつある沖縄の経済の現状、そして自信を持ち始めた彼らの中で台頭してきた沖縄独立論についても探っていきます。

 沖縄というと、一昔前は観光と米軍といったキーワードで語られるイメージでしたが、本土頼みだった沖縄経済にもここに来て大きな変化が出ています。日本とアジアの中間に位置するという地理的なメリットを生かし、周辺エリアの経済を取り込むことに成功しつつあるのです。例えば、物流。全日空とヤマト運輸が日本とアジアを結ぶ航空貨物のハブを那覇空港においたことで、なんと荷物取り扱い量が数年で150倍に急増、国内第3位に急浮上するといった具合です。

 また、沖縄県は人口120万と小さい県ですが、年齢構成的にまだ若い県であるところも経済成長には強みとなっています(本土と年齢構成がずれているわけですね!)。また、
マルチビザの発給が認められたことにより、中国からの観光客も増えており、外資のホテルの進出で第二次「リゾートブーム」の到来が期待されています。沖縄と言えば、とかく基地問題ですが、沖縄の人たちの米軍基地返還要求が今では、かつてのようなイデオロギー絡みから来るだけではなく、経済発展のための基地跡地の商業開発に目を向けたものに変わってきている…、そのことに私たちは気付く必要があります。

 3日、4日とも同じ内容で話をしますので(1日15人)、都合の良い日にご参加ください。会費はコーヒー飲み放題付で1500円、希望者はメールでご連絡ください。

 では、当日!
 

2012年9月22日 (土)

★…きょうのニュース解説 [ 9月21日 ] オスプレイを早く沖縄に


 沖縄・普天間基地への配備が計画されているアメリカ軍の新型輸送機「オスプレイ」の試験飛行が21日、駐機先である山口県の岩国基地で行われました。アメリカ軍は試験飛行を数日繰り返した後、今月中にも沖縄県の普天間基地へ移動させ、来月中旬から本格的な運用に入りたいとしています。「オスプレイ」については、開発段階における事故率を基に飛行を危険視する動きがありますが、沖縄駐留のアメリカ海兵隊の機能強化は、独自の防衛力を持たない我が国の対中国戦略に欠かせないコマなのですから(尖閣問題で切迫している今、その抑止力は重要)、一刻も早くその配備を望みます。

 本当に「オスプレイ」は危険なのでしょうか。危険と言っている人たちは、開発段階や今年二度起きた墜落事故に目が向いていますが、10万飛行時間当たりの重大事故の(死者が出たり総額200万ドルを超える損害が発生した事故の)件数を示す事故率で見ると、1999年から2011年の初期段階で3.32。本格運用が始まった2004年以降では1.93で、戦闘機などを含めた海兵隊全体の平均2.45を下回っています。

 配備反対派が主張するように、現在使っているCH46「シーナイト」の事故率は確かに1.11と、「オスプレイ」を上回ります。しかし、この数字は約30年に渡って練りに練った改良を加えたCH46の“過去最高の”数字なのです。なので今後、老朽化によって事故が起きる確率が確実に増えると指摘されていることを忘れてはいけません。それに比べると、「オスプレイ」の1.93という事故率は、5年後、10年後にはもっと低い数字になっていくでしょうから、口を極めて罵るほど悪い数字とは言えません。

 「オスプレイ」の最大の特徴は、主翼の両端についたプロペラ部分の角度を変えられる点にあります。プロペラを真上に向けるとヘリコプターのように動くことが出来て、機体の位置をキープするホバリングも可能です。一方、その状態からプロペラを前方に傾ければ、飛行機のように飛ぶことが出来ます。飛行機とヘリコプターの“いいとこ取り”をしている機材です。加えて、行動半径は約600キロと、CH46の4倍を超えます。空中給油もできるため、1回の給油で朝鮮半島、中国まで足を伸ばすことが出来ます。その意味で海兵隊の行動半径を大きく広げるための機材なのです。

 アメリカ軍は馬鹿じゃありません。海兵隊は有事の際、最も危険なところに投入され、橋頭堡を確保するための殴り込みの部隊です。そういう役割を持つため、日頃からお金をかけて彼らを厳しく鍛えています。本当にこの「オスプレイ」に問題があるのなら、そんな虎の子の部隊を黙って載せておくわけがありません。戦場に着く前に墜ちれば、どんどん減っていってしまって戦いを組み立てることすら出来なくなるからです。

 「
オスプレイ」の配備について日米両政府は大事を取り、沖縄に配備した後の運用については低空飛行訓練を150メートル以上の高度で行い、人口密集地の上空は避けることなどで合意しました。政府もアメリカ軍も何でも無理押しするわけではありません。誰もが不測の事故で犠牲者が出ることを望んでおらず、軍事行動を制限しない範囲では柔軟に対応している証です。オスプレイ」の配備自体は「沖縄に集中している基地問題を本土が今後どう負担して解決していくか」、それとは別の問題でしょう。

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バー・ステーション … 鯖江市有定町2-4-29 … PM8:00〜AM2:00 … 0778-51-3557

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2012年5月 8日 (火)

★…沖縄の基地問題


ここまでなのか、さすがにちょっとビックリでした。連休中は忙しかったので、今になって先月末に放送された「朝まで生テレビ」の録画を見たのですが、太田元知事や糸数参議院議員といった論客、地元メディアの論客ら出席したパネリストたちを含め、日本政府に対する凄まじいまでの不信です。

この日のテーマは、沖縄の基地問題でした。番組の途中、会場の視聴者29人に地元のアナウンサーからこういう趣旨の質問がありました。「米軍が沖縄からすべて撤退した後、同じ規模の自衛隊が常駐してその穴を埋めるのに賛成か」。なんとそれに賛成したのはたった一人だけでした。むしろ多数の人が「沖縄には、日本の自衛隊であっても軍隊は要らない」。

この日は中国の脅威などに対する沖縄の重要性についての話もしていたのですが、その中国の前で「丸裸の方がむしろいい」といった趣旨の発言が相次いだのです。それくらいの戦力では所詮守れないのだから軍隊は要らない…、なぜこの島はいつも軍隊抜きで語られないのか…、基地を置かないで欲しいというのが沖縄の気持ちなのだ…。軍事バランスの均衡による防衛論自体がもう古い…、いや凄まじい議論がどんどん吹き出しました。一方は日本を守るために沖縄を軸にした防衛戦略を語り、一方は基地がある故に沖縄の危険は増し、沖縄には自衛隊ともいえども軍隊は要らないという、究極のすれ違いです。

日本の一員であることが前提ではないというに等しい話に、ジャーナリストの手嶋龍一さんが切り込みました。「そういうことであるならば、将来の独立も議論した方がいいのではないですか?」。すると、沖縄の論客たちにはそれも絵空事ではないのです。沖縄が日本ではなく、中国と組むという選択肢がある…。手嶋さんも番組の中で指摘していましたが、元外交官の佐藤勝さんが常々語っている「沖縄差別への反発する新しい潮流」です。

番組には最初、日米安保体制に置ける沖縄の重要性を語ることで基地問題への理解を求めているような東京方の意図も垣間見えたのですが、「沖縄の基地はそのまま」を前提にした東京からの論客たちは、最後にはちょっと言葉を失った感じでした。この日の議論を聞いていて、普天間の問題解決なんてとても無理だな、と改めて思いました。基地の負担を押しつけるばかりの日本政府から、沖縄の人たちの気持ちがもう離れてしまっているという現実をヒシヒシと感じました。


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