生活保護制度が大変だ

2012年9月13日 (木)

★…連載:生活保護 [1] 受給者が過去最多を更新


 この春、売れっ子芸能人の母親が生活保護を受給していたことが表面化、それをきっかけに、生活保護制度の在り方に関心が集中しました。受給者数が年々増加して終戦直後の同じ水準にあること、そして、そのための国家予算がもう防衛費と並ぶところまできていること…。飽きっぽい世間の関心はこの問題からもう薄れつつありますが、状況は何も変わっていません。制度の改良は粘り強く続けていかなくてはなりません。

 そんな中でこの12日、生活保護の受給者は211万816人と、過去最多を更新したことが明らかになりました。今年5月時点の数字で、前月比約8700人増です。また、受給世帯数も過去最多の153万8096世帯となりました。4月に10か月ぶりに減少したものの、5月で再び増加。厚生労働省では高齢化の進展と景気の低迷が続いていることが背景にあると見ています。

 一方、同じ日、生活保護制度を悪用して無料で処方してもらった睡眠薬を転売していた神戸市長田区、無職男性(44)が逮捕されたというニュースが報じられました。容疑者は約8年前から生活保護を受給、無料で手に入れた薬の転売でこの2、3年の間に約400万円を受け取っていたとされています。こうした悪知恵が働くのなら、それなりの仕事に就けるはず、なのに働かず、彼は月約25万円の生活保護を受け取っていました。

 また、6月末には、大阪・東大阪市の職員30人の親や兄弟などが生活保護費を受給していることがわかった、という報道がありました。職員たちは扶養できない理由として「養わなければならない人が他にもいて手が回らない」、「ローンの返済が厳しい」といったことを挙げているとされています。東大阪市の職員の平均給与は700万円を超えています。もちろん、若い職員はそれなりに低いでしょう、しかし、それを言ったら、福井県では平成23年の月間現金給与総額が286,760円なのです(福井県毎月勤労統計調査)…。

 東大阪市の福祉部生活福祉室によると、生活保護の制度に基づき、必要な確認は行っており、金銭的な援助を行うことができないと回答されると、それ以上追及するのが難しいとのこと。しかし、公務員ともなれば、市民のみならず人に範を示してほしい、いや、示さないといけません。なのにこの甘えの構造はなんでしょう。「公」というのもへの矜持を期待する方が無理なのでしょうか。彼らは件の芸能人のことをどういう思いで見つめていたのか…、それを聞いてみたいものです。

 こう書いてくると、生活保護制度は欠陥だらけで、本当は支給しなくてもいい人にまで支給しているのではないか、そしてそれが現在の巨額な財政負担に繋がっている…と思うかもしれません。しかし、こうしたことで出て行っているお金は全体から見ればごく一部です(もちろん、それはそれで止めなければいけませんが…)。また、不正受給のニュースも後を絶ちません。しかし、財政負担がどんどん膨れあがっていく原因は、制度そのものの構造にあるのです。次回から生活保護制度の問題点を探っていこうと思います。


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