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2013年11月

2013年11月26日 (火)

★…[ きょうのサントラ ] ビル・コンティ

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Vol.20
TVドラマ「女刑事キャグニー&レイシー」からオープニングテーマ




米CBSで1982年から88年に放送された「女刑事キャグニー&レイシー」はエミー賞の作品賞を2回受賞している名作で、日本でも日本テレビ系で放送されました。ドラマの舞台はニューヨーク市警察第14分署。そこに所属する二人の女性刑事ーー独身でキャリアウーマンのキャグニーと二児の母親のレイシーーーの活躍を描いています。そんなドラマに相応しい、この都会的で軽快なサウンド…。コンティらしさが溢れた一曲です。彼の代表作は映画「ロッキー」のテーマ曲。無名のボクサーが世界チャンピオンに挑戦することで一夜にしてスターとなる感動作でしたが、主人公ロッキーを演じたシルヴェスター・スタローンもまたこの映画の成功で「アメリカン・ドリーム」を体現、テーマ曲は世界的に大ヒットしました。ところが…。アカデミー賞を逃したのです。歌曲賞にノミネートされましたが、受賞したのは映画「スター誕生」の「愛のテーマ」。そう、バーブラ・ストライサンドにさらわれたのです。




 ■■■ 作曲家の肖像

ビル・コンティ(Bill Conti=1942年4月13日〜)


 映画「ロッキー」のテーマ曲がアカデミー賞を逃したことは前に書きましたが、実はあの年、1976年のアカデミー賞は「ロッキー」以外に「大統領の陰謀」、「ウディ・ガスリー/わが心のふるさと」、「ネットワーク」、「タクシードライバー」といった名作が激突、激しい火花を散らした年でした。「ロッキー」は作品賞、監督賞こそ獲りましたが、主演男優賞は「ネットワーク」ピーター・フィンチが獲得、シルヴェスター・スタローンはともかく、「タクシードライバー」のロバート・デ・ニーロですら受賞できないという激戦だったのです。


 また、この年は、アカデミー賞の常連だったジェリー・ゴールドスミスが「オーメン」の音楽で初の作曲賞を受賞しました。その前年まで3年連続でノミネートされ、その後も名作を数多く生み出したゴールドスミスは結局、この年の受賞が最初で最後になりました。また、音楽賞は「ウディ・ガスリー/わが心のふるさと」の音楽で大御所のレナード・ローゼンマンが獲得。で、歌曲賞は映画「スター誕生」の「愛のテーマ」が受賞したのですから、音楽面でも本当に強豪揃いの年だったことが解ります。


 そのアカデミー賞とコンティは不思議な縁で結ばれています。アカデミー賞の授賞式ともなれば、それ自体が一大イベントです。音楽監督もちゃんと設けられていて、コンティは77年の第49回から2008年の第80回まで、それをなんと19回も務めているのです。もちろん、作曲家としても81年の「007/ユア・アイズ・オンリー」の主題歌「For Your Eyes Only」が歌曲賞にノミネートされ(歌はシーナ・イーストンでした!)、そして83年、「ライトスタッフ」の音楽で作曲賞をついに受賞します。


 コンティはイタリア系の米国人で、イタリア・オペラが流れる家庭で育ち、ルイジアナ大学に在学中からナイトクラブでジャズ・ピアノを弾いていたそうです。その後、ニューヨークの名門ジュリアード音楽院に進み、修士号を修得して作曲家の道に進みました。「ロッキー」を筆頭に明るい色調の音楽も多いのですが、「ふたりでスロー・ダンスを」の中の「The Ovation」などは美しいピアノ・ソロから始まるしっとりとした音楽で、一時期はフィギュアスケートのBGMによく使われました。



 ■■■ 主な作品(wikipedia参照)

………映画


ハリーとトント(1974)Harry and Tonto
ロッキー(1976)Rocky
グリニッチ・ビレッジの青春(1976)Next Stop Greenwich Village
結婚しない女(1978)An Unmarried Woman
フィスト(1978)F.I.S.T
パラダイス・アレイ(1978)Paradise Alley
ロッキー2(1979)Rocky II
ふたりでスロー・ダンスを(1978)Slow Dancing in The Big City
グロリア(1980)Gloria
プライベート・ベンジャミン(1980)Private Benjamin
勝利への脱出(1981)Escape to Victory
007 ユア・アイズ・オンリー(1981)For Your Eyes Only
ロッキー3(1982)Rocky III
探偵マイク・ハマー/俺が掟だ!(1982)I, the Jury
ライトスタッフ(1983)The Right Stuff
バッド・ボーイズ(1983)Bad Boys
ベスト・キッド(1984)The Karate Kid
ベスト・キッド2(1986)The Karate Kid, Part II
F/X 引き裂かれたトリック(1986)F/X
マスターズ/超空の覇者(1987)Masters of the Universe
ロックアップ(1989)Lock Up
ベスト・キッド3/最後の挑戦(1989)The Karate Kid, Part III
ロッキー5/最後のドラマ(1990)Rocky V
ベスト・キッド4(1994)The Next Karate Kid
トーマス・クラウン・アフェアー(1999)
ザ・ボディーガード(2002)Avenging Angelo
ロッキー・ザ・ファイナル(2006)Rocky Balboa

………TVドラマ

ダイナスティ(1981〜89)テーマ音楽のみ
女刑事キャグニー&レイシー (1982〜88)テーマ音楽のみ
忍者ジョン&マックス (1984)テーマ音楽のみ
南北戦争物語 愛と自由への大地(1985)







★…きょうのニュース解説 [ 11月25日 ] 中国が防空識別圏を設定

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 中国が動きました。日本の領土である尖閣諸島の上空を含む、東シナ海に一方的に防空識別圏を設定してきました。防空識別圏に他国の航空機が進入してきた場合、どこの国でも、戦闘機をスクランブル(緊急発進)させて領空侵犯を阻止します。日本もこれまで、防空識別圏に入ってくる中国機に対して航空自衛隊がスクランブルを重ね、退去させてきました。


 その日本の防空識別圏と重なるような形で中国が防空識別圏を設定した…中国の国防省は、圏内を飛ぶ各国の航空機に対して「国防省の指令に従うこと」、「飛行計画の提出を求める」といったが公告を出しました。また、従わない航空機には「防御的緊急措置を講じる」として、スクランブルを行うことも明らかにしています。つまり、一方的に設定した防空識別圏への進入を武力で排除すると言っているわけです。

 尖閣諸島をめぐって中国は、これまでも中国海警局の公船を尖閣周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)へ頻繁に進入させてきました。もう、それが当たり前画のようになっているため、ニュースにならないくらいの頻度です。そして、海警局の乗組員が中国漁船に対して立ち入り検査を行っています。もちろん、日本が管轄権を持つ海域での法執行は国際法違反と知っていてどこ吹く風。さもそのエリアで法執行を行っているかのように装う“やらせ行為”を繰り返し、既成事実の積み重ねを図ってきました。

 しかし、今回の動きはこれまでとは違い、力ずくでも現状を変更しようとする動きです。尖閣諸島をめぐる日中の対立を、武力で解決していくと宣言したに等しく、話し合いによる日本との関係改善を拒否するという意思表示です。日本の領空に中国機が侵入してきた場合、日本が躊躇なく撃墜命令を下せるかどうかといった問題がより顕在化するわけで、ある意味で日本への“宣戦布告”です。

 だからこそ、米国は日本以上に機敏に動き、ケリー国務長官、ヘーゲル国防長官、国家安全保障会議(NSC)が歩調を合わせて声明を発表。中国の一方的な行動は誤解と誤算による不測の事態の危険性を増大させる、とその行動を非難した上で、「尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用対象であることを米国は再確認する」、「日本を含む同盟・友好国と緊密に協議する」と、中国を強く牽制しました。加えて、防衛識別圏が重なった台湾と韓国も中国の行動に「遺憾の意」を表明しています。

 これに中国も応酬。日米の批判に対して、人民解放軍の機関紙「解放軍報」は25日、「国家主権を守ろうとする中国軍の決意を見くびってはいけない」という社論を掲載。その中で、「防空識別圏の設定にはどの国の許可もいらず、大国の顔色をうかがう必要はない」、「1969年に日本が防空識別圏を設定した行為こそが非常に危険で一方的な行為だ」と反論しています。また、中国共産党の機関紙「人民日報」系の「環球時報」は、「もし日本の戦闘機が中国の防空識別圏内で中国機の飛行を妨害するなら、中国の戦闘機も断固として日本の戦闘機の飛行を阻むべきだ」という主張を展開しました。

 チャイナ・ウオッチャーの間には「中国一流のブラフ(脅し)であり、宣言したけれど、実際にはスクランブルは行わない口先介入」という見方もあります。また、東京の中国大使館が今月8日、日本にいる中国人に対して、「緊急事態に備え、連絡先を登録するよう」ホームページなどで呼びかけたという話が「環球時報」のインターネット版や「京華時報」のニュースで表面化。一方で中国外務省が「無用な連想や過度な解釈をすべきではない」と思わせぶりに否定してみせていることも、日米を揺さぶるために一芝居打っているといった見方に繋がっています。もちろん、実際にそれで終わってくれる方が良いに決まっています。

 しかし…。日本航空や全日空など日本の航空各社が識別圏を通過する台北便や香港便などの飛行計画書を中国当局に提出したことが25日に明らかになりました。台湾も飛行計画書を中国当局に提出したことを認めています。既成事実の積み重ねるという彼らの巧妙な手口…。飛行計画を提出するという踏み絵を踏まされる航空各社も気の毒ですが、それが続けば、中国の尖閣の領有権を半ば認めてしまうことにもなり兼ねません。アメリカの航空会社がどうするか、そこが知りたいところですね。

 安倍首相は25日の参院決算委員会で「尖閣諸島の領空があたかも中国の領空であるかのごとき表示で、全く受け入れることができない。一切の措置の撤回を求めている」と改めて中国を強く非難。外務省の斎木事務次官も中国の程永華(チョン・ヨンホワ)大使を呼び、改めて撤回を求めました。

 しかし、そういう抗議行動だけでは…。既成事実が積み上がることで、細かい事情や歴史を知らない欧米の知人たちの間では最近、「日本と中国は尖閣諸島をめぐって領土問題を抱えている」という認識が定着しつつあります。向こうのニュースには「中国の公船と海上保安庁の巡視船が揉み合っている短い映像」しか流れないのですから、そういう印象を持つのも当然でしょう。

 日本の防空識別圏はこれまで多くの国に認められてきました(あの韓国でさえも)。なのに武力を背景に強引にその変更を迫る中国の行為は“侵略”そのものです。中国はまず無人偵察機あたりを日本の領空に進入させてくると思いますが、スクランブルに上がった自衛隊機は国際法で定められた手順に則って粛々と撃墜すべきです(
日本の正当性を伝えるため、撃墜する映像を公開するということも必要)。領空侵犯を続けた大韓航空機が旧ソ連軍の戦闘機によって撃墜された時です。撃墜されたのは民間機、乗っていた乗員、乗客全員が犠牲になる痛ましい事件でしたが、国際法で定められた手順に則ったギリギリの判断だったことが解ると、国際的な批判は止みました。

 そしてその一方で、中国の“侵略”については、日中で話し合いをするのではなく、国連の安保理事会に話を持って行くべきです。中国がいかに危険なことを仕掛けているか、それを国際社会に広く理解してもらい、日本の主張を堂々と世界に問う必要があります。その過程で、日本の領有の正当性も広く世界に浸透していくことでしょう
。もう少し先になると思っていたのですが、尖閣問題は中国が先に動いたことで、どうやらここが天王山です。ここで引くと、中国に譲歩せざるを得なくなります。


2013年11月23日 (土)

★…[ きょうのサントラ ] 渡辺俊幸

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Vol.19
大河ドラマ「利家とまつ」からオープニングテーマ



2002年の大河ドラマ「利家とまつ」は、戦国武将で後に加賀百万石の礎となった前田利家とその夫人のまつを主人公に据え、二人の夫婦愛を軸にしつつ、戦国武将たちの群像を描いたドラマでした。唐沢寿明演じる利家はそれまでの武将像よりずっとライトに描かれ、一方で夫を叱咤激励して二男九女を育てた逞しいまつの賢夫人ぶりが印象的に残る仕上がりでした。大河ドラマ初出演となった松嶋菜々子演じるまつの「わたくしにお任せくださいませ」、実生活で松嶋と入籍したばかりの反町隆史演じる信長の「で、あるか」といった決め台詞が流行したりしました。音楽を手がけたのは、渡辺俊幸。大河ドラマを手がけるのは、97年の「毛利元就」に続いて二度目でした。夫婦のサクセス・ストーリーを描いているドラマに合わせ、渡辺の音楽も血湧き肉躍るような音楽ではなく、愛と笑いと涙で綴られた生涯を美しくメロディーで回想するように歌い上げています。録音には地元・金沢の「オーケストラ・アンサンブル金沢」が起用されています。





 ■■■ 作曲家の肖像

渡辺俊幸(わたなべ・としゆき=1955年2月3日〜)

  今年は「第二楽章」と現在放送中の「あさきゆめみし 〜八百屋お七異聞」を手がけるなど、NHKのドラマでコンスタントに仕事が続いています。しかし彼の場合、NHKのドラマの仕事と言えば、井上真央を起用した連続テレビ小説「おひさま」の音楽でしょう。そのメロディーに歌詞を付け、歌手の平原綾香が歌った主題歌「おひさま〜大切なあなたへ」は2011年の第53回「日本レコード大賞」編曲賞を受賞しました。

  父親が渡辺宙明(わたなべ・ちゅうめい=1925年〜)。「マジンガーZ」などのテレビ番組や映画の音楽を数多く手がけてきた作曲家です。そんな家庭環境からか、彼も青山学院高等部在学中から矢野顕子らとジャズバンドを作ったり、青山学院大学入学と同時に「赤い鳥」にもドラマーとして参加するなど、若い頃から音楽活動を展開してきました。「赤い鳥」の解散後は、「グレープ」を離れてソロ・デビューした歌手の「さだまさし」のアレンジャーなどを務めています。

  ただ、作曲家としての体系的な勉強を始めたのはかなり後のことで、1979年に渡米してからだったそうです。ボストンのバークリー音楽大学でクラシックとジャズについて作曲法を学ぶ一方、ボストン音楽院で指揮法を学んでいます。その後、ロスアンジェルスで作曲家アルバート・ハリスの下でハリウッド・スタイルの管弦楽法、映画のための作曲技法を学んでいます。

  フットワークが軽く、帰国後は作曲家としての活動の傍ら、2003年に「オーケストラ・アンサンブル金沢」のポップス・ディレクターに就任したり、日本フィルハーモニー交響楽団と組んで本人がプロデュースする「シンフォニック・エンタテインメント」というコンサートを毎年開催。また、洗足学園音楽大学教授として、映画音楽やポップスなどの商業音楽の作曲に特化したカリキュラムを担当、後進の指導にも当たっています。




 ■■■ 主な作品(wikipedia参照)

………映画
レッスン〜Lesson(1994)
モスラ(1996)
モスラ2 海底の大決戦(1997)
モスラ3 キングギドラ来襲(1998)
サトラレ(2001)
解夏(2004)
UDON(2006)
天国はまだ遠く(2008)
ぼくとママの黄色い自転車(2009)
瞬 またたき(2010)
カルテット!(2011)

………TVドラマ
オレゴンから愛(1984)(テーマ曲はさだまさし)
たけしくん、ハイ!(1985)
ノンちゃんの夢(1988)
七人の女弁護士(1991)
同窓会 (1993)
かりん (1993-1994)
大地の子(1995)
忠臣蔵(1996)
毛利元就(1997)
隠密奉行朝比奈(1998、1999)
一絃の琴(2000)
利家とまつ〜加賀百万石物語〜(2002)
夢みる葡萄〜本を読む女〜(2003)
虹のかなた(2004)
優しい時間(2005)
ハルとナツ 届かなかった手紙(2005)
名奉行!大岡越前(2005、2006)
がきんちょ〜リターン・キッズ〜(2006)
家族〜妻の不在・夫の存在〜(2006)
どんど晴れ(2007)
お・ばんざい!(2007)
海峡(2007)(テーマ曲はさだまさし「かささぎ」)
落日燃ゆ(2009)
遥かなる絆(2009)
八日目の蝉(2010)
モリのアサガオ(2010)
おひさま(2011)
花嫁の父(2012)
浪花少探偵団(2012)
第二楽章(2013)
かすていら(2013)
あさきゆめみし 〜八百屋お七異聞(2013)

………その他のテレビ番組
救急戦隊ゴーゴーファイブ(1999)
NHKニュース正午(2009・4〜)
NHKニュース18時(2009・4〜)
NHKニュース7(5代目:2009・4〜2011・5)
FNNスーパーニュース(2011・4〜2012・3)








2013年11月21日 (木)

★…[ きょうのサントラ ] モーリス・ジャール

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Vol.18
映画「アラビアのロレンス」よりメインテーマ


映画の公開は1962年。デビッド・リーン監督が50歳を過ぎたあたりの作品で、数ある監督の作品の中でも最高傑作でしょう。なんと言っても、まずはピーター・オトゥールの怪演です。第一次大戦中に起こったアラブ諸民族のオスマン帝国からの独立闘争、そしてそれを指揮した実在のイギリス陸軍将校のトマス・エドワード・ロレンス…。彼をオトゥールが演じたのですが、何かに取り憑かれたかのようなあの熱演。しかし、この年のアカデミー賞で、主演男優賞を「アラバマ物語」のグレゴリー・ペックにさらわれてしまいました。この時のボタンの掛け違いが響いたのでしょうか、オトゥールはその後も何度かノミネートされながら、ついにオスカーを獲ることは出来ませんでした。もう一つ、フィルムに焼き込まれた自然の壮大さ。砂漠に昇る太陽、地平線の彼方に浮かび上がる蜃気楼、砂漠をしずしずと進むラクダ、エキストラの大量動員による戦闘シーン…。何度観ても圧倒的な迫力で迫ってきます。そして、最後にこのモーリス・ジャールの音楽。アカデミー賞の作曲賞を受賞、ジャールの出世作となりました。それらが合わさっての名作です。ジャールが2008年に第15回「大阪ヨーロッパ映画祭」の名誉委員長として来日した時に会見したのですが、この音楽の作曲のために残されていた時間は6週間だったそうで、5時間書いたら20分寝るの繰り返しで作業を続け、なんとか間に合わせたと言っていました。




 ■■■ 作曲家の肖像

モーリス・ジャール(Maurice Jarre=1924年9月13日〜2009年3月29日)

 先に紹介したジョルジュ・ドルリューと並ぶ、フランスの映画音楽の巨匠がこの人です。ドルリューが25年生まれですから、ほとんど二人は同い年、ついでに言うと、現代音楽界の大御所作曲家ピエール・ブーレーズも25年生まれですから、この年は作曲界の当たり年ですね。3人ともパリ国立高等音楽院(パリ音楽院、いわゆる、コンセルバトワールと呼ばれているとこです)で学び、ドルリューがミヨー、ブーレーズはメシアン、ジャールはオネゲルノに作曲を学んだと言われていますが、学校でも付き合いがあったのではないかと思います。


 そんな話はさておき、ジャールの音楽院での本来の専攻はパーカッションでした。小澤征爾の師でもある名指揮者シャルル・ミュンシュの薦められたそうですが、現在のパリ管弦楽団の前身であるパリ音楽院管弦楽団のティンパニー奏者を務めたというのだから確かな腕前でしょうし(!)、実際に打楽器の使い方がうまく、映画「アラビアのロレンス」の序曲の冒頭など素晴らしい効果をあげています。音楽院ではもちろん、作曲と指揮法も学んでいますが、さらにその後、ソルボンヌ大学に移ってエンジニアリングについても学んでいる変わり種です。


 映画との関わりは50年からですが、62年には「アラビアのロレンス」、「史上最大の作戦」、「シベールの日曜日」の音楽を担当。そして、その3作品がその年の第35回アカデミー賞を賑わせることになるのです。「アラビアのロレンス」は「史上最大の作戦」を征して作品賞を獲得し、彼は作曲賞を受賞しました。その一方で「シベールの日曜日」が外国語映画賞を獲得しましたから、彼にとっての当たり年です。また、「アラビアのロレンス」でデビッド・リーン監督と縁が出来たことは彼の人生に大きな影響を与えました。その後も、「ドクトル・ジバゴ」、「ライアンの娘」、「インドへの道」で組み、「ドクトル・ジバゴ」と「インドへの道」は、アカデミー賞の作曲賞を射止めるのです。

 
 もちろん、それ以外にも、精力的な活動でアカデミー賞の常連になりました。72年の「ロイ・ビーン」が歌曲賞、76年の「ザ・メッセージ 」、85年の「刑事ジョン・ブック/目撃者」、88年の「愛は霧のかなたに」、90年の「ゴースト/ニューヨークの幻」が作曲賞にノミネートされるといった具合です。また、1980年代半ばになると、それまでの大規模なオーケストラをダイナミックに使う作風にも変化が生まれ、シンセサイザーも使うようになります。ちなみに息子のジャン・ミッシェル・ジャールは「幻想惑星」などの世界的なヒットで知られるシンセサイザー奏者ですね。


 ■■■ 主な作品(wikipedia参照)

………映画
顔のない眼 Les Yeux sans visage (1959)
素晴らしき恋人たち Amours célèbres (1961)
史上最大の作戦 The Longest Day (1962)
シベールの日曜日 Les Dimanches de Ville d'Avray (1962)=1963年アカデミー編曲賞ノミネート
アラビアのロレンス Lawrence of Arabia (1962)=1962年アカデミー作曲賞受賞
日曜日には鼠を殺せ 'Behold a Pale Horse (1964)
大列車作戦 The Train (1964)
ダンケルク Week-end à Zuydcoote (1964)
コレクター The Collector (1965)
ドクトル・ジバゴ Doctor Zhivago (1965)=1965年アカデミー作曲賞受賞
ノートルダム・ド・パリ Notre-Dame de Paris (1965) (Ballet Music)
プロフェッショナル (1966)
パリは燃えているか Paris brûle-t-il? (1966)
泥棒貴族 Gambit  (1966)
グラン・プリ Grand Prix (1966)
将軍たちの夜 The Night of the Generals (1967)
戦うパンチョ・ビラ Villa Rides (1968)
フィクサー The Fixer (1968)
裸足のイサドラ Isadora (1968)
地獄に堕ちた勇者ども La Caduta degli dei (1969)
トパーズ Topaz (1969)
ライアンの娘 Ryan's Daughter (1970)
レッド・サン Soleil rouge (1971)
ロイ・ビーン The Life and Times of Judge Roy Bean (1972)=1972年アカデミー歌曲賞ノミネート
マッキントッシュの男 The MacKintosh Man (1972)
地球の頂上の島 The Island at the Top of the World (1974)
王になろうとした男 The Man Who Would Be King (1975)
明日なき追撃 posse (1975)
ラスト・タイクーン The Last Tycoon (1976)
ザ・メッセージ The Message (1976)=1977年アカデミー作曲賞ノミネート
ブリキの太鼓 Die Blechtrommel (1979)
将軍 SHOGUN (1980)
タップス Taps (1981)
ファイヤーフォックス Firefox (1982)
戦場の小さな恋人たち Don't Cry, It's Only Thunder (1981)
砂漠のライオン Lion of the Desert (1981)
病院狂時代 Young Doctors in Love (1982)
危険な年 The Year of Living Dangerously (1982)
トップ・シークレット A Passage to India (1984)
インドへの道 (1984)=1984年アカデミー作曲賞受賞
マッドマックス/サンダードーム Mad Max Beyond Thunderdome (1985)
第5惑星 Enemy Mine (1985)
刑事ジョン・ブック/目撃者 Witness (1985)=1985年アカデミー作曲賞ノミネート
モスキート・コースト The Mosquito Coast (1986)
首都消失 (1987)
追いつめられて No Way Out (1987)
危険な情事 Fatal Attraction (1987)
愛は霧のかなたに Gorillas in the Mist: The Story of Dian Fossey (1988)=1988年アカデミー作曲賞ノミネート
ワン・モア・タイム Chances Are (1989)
いまを生きる Dead Poets Society (1989)
プランサー Prancer (1989)
敵、ある愛の物語 Enemies: A Love Story (1989)
ゴースト/ニューヨークの幻 Ghost (1990)=1990年アカデミー作曲賞ノミネート
クライシス2050 Solar Crisis (1990)
ジェイコブス・ラダー Jacob's Ladder (1990)
オンリー・ザ・ロンリー Only the Lonely (1991)
落陽 (1992)
フィアレス Fearless (1993)
雲の中で散歩 A Walk in the Clouds (1995)
心の指紋 The Sunchaser (1996)
太陽の雫 Sunshine (1999)
永遠のアフリカ(2000)








2013年11月20日 (水)

★…[ きょうのサントラ ] 山本直純

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Vol.17
TVドキュメンタリー「すばらしい世界旅行」よりオープニングテーマ


懐かしい〜、この音楽…。そう感じる方は50歳以上の方でしょうか。そう、日本テレビ系で毎週日曜日の夜に放送されていた紀行番組「すばらしい世界旅行」の音楽です。大河ドラマの後、これを見終わると、日曜日もいよいよ終わりという感じの生活リズムだったことを思い出します。放送が始まったのは、1966年10月9日。円とドルの為替レートが変動相場制に移行するのが73年ですから、放送が始まった頃はまだ1ドル360円だったわけで、海外旅行など夢のまた夢という時代に海外の事情をお茶の間に映像で伝えてくれるこの番組は(ナレーションの久米明がまたいい感じでした!)、いまとは比べものにならないくらいの存在感がありました。90年9月16日で放送が終了、放送回数は1010回を数えます。日立製作所以下の日立グループが単独スポンサーを務め、「日立ドキュメンタリー」と銘打たれていましたが、もう企業側に余裕がなくなってきたのでしょうね、こういう番組もめっきり減っています。音楽は山本直純。冒頭から冒険に出掛けるように音楽がグッと立ち上がってから、民族音楽の舞曲のような躍動感のある音楽に移り、それが華々しく収斂していく…。見事な一筆書きの音楽ですねえ。




 ■■■ 作曲家の肖像

山本直純(やまもと・なおずみ=1932年12月16日〜2002年6月18日)

  仕事柄これまでたくさんの人にインタビューをしてきましたが、彼からじっくり話を聞くことが出来なかったことは心残りです。1973年から10年間放送されたTBS系の音楽番組「オーケストラがやってきた」。山本はこの番組の企画立案を手がけ、司会を務め、オーケストラを指揮していました。父が74年に亡くなった後、伯父からお古のステレオを貰ったことでクラシック音楽を聞き始めたのですが、中学、高校時代にこの番組を観たことも大きかったのです。口ひげと黒縁メガネがトレードマーク、加えておしゃべり上手。山本は最大の功績は、その親しみやすさを生かして、テレビを通したクラシック音楽の普及に力を注いだことでしょう。私のような人間がたくさんいるはずです。

  1972年、日本のオーケストラ界に衝撃が走りました。文化放送とフジテレビが日本フィルハーモニー交響楽団の解散を通告したことに楽団員たちが反発、事務所を占拠して活動を続けるという「日フィル争議」が起きたのです。この時、楽団員の3分の1が退団、指揮者の小澤征爾を担いで自主運営によるオーケストラを起ち上げました。それが新日本フィルハーモニー交響楽団。山本も参画、指揮者団幹事を務めました。「オーケストラがやってきた」の開始には、新しいオーケストラへの支援という意味合いもありました。指揮者としては日本人として初めて、79年と80年に有名なボストンポップスの指揮台にも立っていることも忘れるわけにはいきません。


  しかし、本当の才能は、作曲にこそ発揮されたと思います。あの有名な、映画「男はつらいよ」のテーマ、ドリフターズの「8時だョ!全員集合」やラジオの人気長寿番組「小沢昭一の小沢昭一的こころ」、「3時のあなた」といった番組のオープニング、「大きいことはいいことだ!!」で知られる森永製菓「エールチョコレート」や「戸締まり用心、火の用心」のフレーズで親しまれた日本船舶振興会(現在の日本財団)といったTVCM…多くの人の心に強く残る、シンプルで明快なそのメロディーで多くの人の心を鷲づかみしてきました。童謡「一年生になったら」も彼の作品です。


  とにかく、小さい頃から常に身の回りに音楽が溢れていた人です。父親は作曲家・指揮者の山本直忠。父の弟子の渡辺浦人から音楽の手ほどきを受け、その後、自由学園で音楽教育を受けます。自由学園では前後に林光、三善晃、渡辺岳夫といった後に日本の作曲界を支えることになる人間がいました。高校時代には齋藤秀雄(あのサイトウ・キネン・オーケストラのサイトウです!)に入門。ここにも小澤征爾、秋山和慶、飯守泰次郎、尾高忠明といった日本を代表する指揮者のタマゴが集まっていました。その後、1浪して東京芸術大学の作曲科へ進み、後に無二の親友となる指揮者の岩城宏之と知り合います。大学では池内友次郎に師事していましたが、在学中からもうテレビや映画の音楽の作曲を始めるなど、才能も早くから開花していたのです。




 ■■■ 主な作品(wikipedia参照)

………映画

殺人鬼の誘惑 (1963)
肉体の門 (1964)
雪国 (1965)
殺しの烙印 (1967)
男はつらいよシリーズ (1969〜95年)一部作品を山本純ノ介と共作
喜劇 猪突猛進せよ!! (1971)
どうぶつ宝島 (1971)
喜劇 女は男のふるさとヨ (1971)
喜劇 女売り出します (1972)
二百三高地 (1980)音楽監督と指揮


………TVドラマ

マンモスタワー(1958年)
七人の孫 (1964〜66年)
氷点 (1966年)
わが心のかもめ (1966)
嫌い!好き!! (1966〜67)
男はつらいよ (1968〜69)
ハレンチ学園 (1970〜71)
ワンパク番外地 (1971)
天下御免 (1971〜72)
天下堂々 (1973〜74)
あんたがたどこさ (1973〜75)
[大河ドラマ]風と雲と虹と (1976)
松本清張の連環 (1983)
ロマンス (1984)
[大河ドラマ]武田信玄 (1988)
花燃える日日〜野望の国・第二部(1990)


………その他のテレビ番組

マグマ大使
怪奇大作戦
8時だョ!全員集合
お笑い頭の体操
ミュージックフェア
霊感ヤマカン第六感
3時のあなた
日立ドキュメンタリー すばらしい世界旅行
トヨタ日曜ドキュメンタリー 知られざる世界


………ラジオ

小沢昭一の小沢昭一的こころ(1973〜)

………TVCM

ミユキの歌 (御幸毛織)
森永エールチョコレート (「大きいことはいいことだ!!」自らも出演)
若さだよ、ヤマちゃん! (サントリー)
ミュンヘン・札幌・ミルウォーキー (サッポロビール)
火の用心のうた (日本船舶振興会/日本防火協会)


………団体歌

白銀の栄光 - 1972年札幌オリンピック入場行進曲
われら (自由民主党党歌)
川崎市民の歌「好きです かわさき 愛の街」
中央区の歌「わがまち」








2013年11月19日 (火)

★…[ きょうのサントラ ] ジョルジュ・ドルリュー

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Vol.16
映画「終電車」よりエンディングテーマ


大人の世界やなあ、フランス映画が描く世界は…若い頃、この映画を見終わってため息をついた覚えがあります。フランス映画と言えば「ヌーヴェル・ヴァーグ(=新しい波)」、そしてその旗手と言えば巨匠フランソワ・トリュフォー監督(François Roland Truffaut=1932年2月6日〜84年10月21日)でしょう。この映画「終電車」は彼の晩年1980年の作品で最大のヒット作でもあります。物語の舞台はドイツ占領下のパリ。モンマルトル劇場の支配人兼演出家のルカ(ハインツ・ベンネント)、地下に身を隠している夫に代わって劇場を切り盛りする女優マリオン(カトリーヌ・ドヌーヴ)、その二人に若手俳優のベルナール(ジェラール・ドパルデュー)が絡みます。そして、占領下にあっても逞しく生活を謳歌する市井の人々…。悪役まで登場人物一人ひとりの描き方の隈取りが濃く、みんな生き生きとスクリーンの中を闊歩します。中でも、ドヌーヴの、あの能面のような冷たい美貌とふと浮かべる微笑の落差に私はやられました。作品賞から監督賞、脚本賞、主演女優賞、主演男優賞、そして音楽賞まで、フランスの映画賞セザール賞主要10部門を受賞、アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされた名作です。音楽はジョルジュ・ドルリュー。「ピアニストを撃て」以降、トリュフォー作品のほとんどの音楽を手がけていますが、この音楽にしても、パリの華やかな雰囲気を振りまきながらも、どことなく陰りを帯びた響きが大人の雰囲気です。



 ■■■ 作曲家の肖像

ジョルジュ・ドルリュー(Georges Delerue=1925年3月12日〜92年3月10日)


 戦後のフランスが生んだ最大の作曲家、と言っても文句をいう人はいないでしょう。生まれはフランス北部のルーベ。パリ国立高等音楽院で(コンセルバトワールですね!)ダリウス・ミヨーに作曲と指揮法を学び、49年に首席で卒業しています。その年、栄えあるローマ大賞も受賞。52年からはフランス国営放送の作曲家、そしてオーケストラの指揮者として活躍を始めます。クラシック音楽界のエリートだったわけです。57年にはボリス・ヴィアンとの合作で初のオペラも作曲しています。映画音楽の世界には59年にアラン・レネ監督の「二十四時間の情事」でデビュー。以来、作曲した映画数が優に250本を超えるという巨人です。


 中でも、フランソワ・トリュフォー監督とは11本の映画で組んでいるのですが、監督は撮影前にドルリューに脚本を渡し、シーンごとの音楽を先に作曲してもらっていたと言われています。 普通は撮影や編集が終わった時点で作曲家が呼ばれるのですから、順番があべこべです。しかも…。その音楽を再生しながら、監督は演出したというのです。俳優たちは最終的にそのシーンにかかる音楽を聞きながら演技するわけで、当然ながら音楽の雰囲気に引き摺られることにもなりかねません。しかし、監督はそれを良しとしていたのですから、彼に絶対的な信頼を置いていたという証拠ですね。監督から実は監督の映画で音楽がフェード・インしてきてフェード・アウトすることが多いのも、そうした裏事情があったからです。


 70年代に入るとハリウッド作品も手がけるようになりました。アカデミー賞には、69年の「1000日のアン」、73年の「イルカの日」、77年の「ジュリア」、85年の「アグネス」、79年の「リトル・ロマンス」で5回ノミネートされ、ヴィヴァルディのリュート協奏曲をモチーフにした「リトル・ロマンス」の音楽で、フランス人として初めて作曲賞を獲得しています。また、69年に「恋する女たち」、78年に「ジュリア」で英国アカデミー賞の作曲賞(アンソニー・アスキス映画音楽賞)にノミネートされた他、78年の「ハンカチのご用意を」、79年の「逃げ去る恋」、80年の「終電車」でセザール賞の音楽賞を受賞しています。

 ■■■ 主な作品(wikipedia参照)

………映画
ヒロシマモナムール(1959)
ピアニストを撃て(1960)
かくも長き不在(1961)
突然炎のごとく (1962)
二十歳の恋(1962)
リオの男(1963)
柔らかい肌(1963)
軽蔑(1963)
かもめの城(1965)
ビバ!マリア(1965)
大追跡(1965)
カトマンズの男(1965)
わが命つきるとも(1966)
まぼろしの市街戦(1967)
恋する女たち(1969)
1000日のアン(1969)
暗殺の森(1970)
恋のエチュード(1971)
私のように美しい娘(1972)
ジャッカルの日(1973)
映画に愛をこめて アメリカの夜(1973)
イルカの日(1973)
ベルモンドの怪盗二十面相(1975)
ジュリア(1977)
逃げ去る恋(1978)
リトル・ロマンス(1979)
終電車(1980)
隣の女(1981)
日曜日が待ち遠しい!(1982)
プラトーン(1986)
デサント・オ・ザンファー 地獄に堕ちて(1986)
サルバドル/遥かなる日々(1986)
ツインズ(1988)
マグノリアの花たち(1989)
カーリー・スー(1991)









2013年11月18日 (月)

★…[ きょうのサントラ ] ハンス・ジマー

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VOL.6
映画「バックドラフト」から「Fahrenheit 451」


この音楽、どこかで聞いたことがありませんか? そう、フジテレビ系で放送された「料理の鉄人」という番組で使われていましたね。しかし、元々は91年の映画「バックドラフト」の音楽です。「Fahrenheit 451=華氏451度」というタイトルが付けられています。シカゴを舞台に消防士たちの活躍を描いた「バックドラフト」はロン・ハワード監督作品。殉職した父に憧れて消防士になった二人の息子たちの(兄がカート・ラッセル、弟がウィリアム・ボールドウィン)葛藤、そこに汚職事件をめぐるサスペンスが絡みます。脇役にロバート・デ・ニーロ、スコット・グレン、ドナルド・サザーランドといった大物が顔を揃え、いずれも渋い演技をみせた重厚な作品で、火災現場を再現した特撮の凄さも手伝って日本でも大ヒットしました。音楽を手がけたハンス・ジマーは、94年の「ライオン・キング」でアカデミー賞の作曲賞、ゴールデングローブ賞を受賞し、ジェームズ・ホーナーと並んでいまのハリウッドを代表する大物です。





 ■■■ 作曲家の肖像


ハンス・ジマー(Hans Florian Zimmer=1957年9月12日〜)


 最近でこそ自ら率いる作曲家チームで仕事をすることが多く、本人単独の仕事は減っていますが、一時はハリウッドの話題作を軒並み手がけていた印象があります。ブレークしたのは、1988年の「レインマン」の音楽がアカデミー賞にノミネートされたことでした。そこからは一気呵成で、「ブラック・レイン」、「ドライビング Miss デイジー」、「グリーン・カード」、「テルマ&ルイーズ」、「ピースメーカー」、「恋愛小説家」、「ハンニバル」、「ブラックホーク・ダウン」、「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」、「ラストサムライ」、「バットマン ビギンズ」と、本当に話題作がずらりです。

 その中でも、94年の「ライオン・キング」はアカデミー賞の作曲賞、ゴールデングローブ賞を受賞。また、95年の「クリムゾン・タイド」でグラミー賞、2000年の「グラディエーター」でゴールデングローブ賞、01年の「パール・ハーバー」でアカデミー賞の音響賞など2部門、08年の「ダークナイト」でグラミー賞も獲得しています。ノミネートも、06年の「ダ・ヴィンチ・コード」、08年の「フロスト×ニクソン」がゴールデングローブ賞に、09年の「シャーロック・ホームズ」はアカデミー賞に、といった具合です。
 ジマーはドイツ・フランクフルト生まれで、10代でロンドンに移住、名門ハートウッドハウス・スクールで学んだ後、1980年代はロンドンを中心にキーボードとシンセサイザーの奏者として活動。その後、イギリスの映画音楽作曲家スタンリー・マイヤーズに師事、さらに渡米して本格的に作曲家の道に進んでいます。そうしたキャリアから、シンセサイザーとオーケストラをミックスさせたスケールの大きな音楽を紡ぎ出すのが上手。BGM的に使われる傾向が強かった映画音楽に、演出効果の一部としての役割を担わせているわけです。



 ■■■ 主な作品(wikipedia参照)


………映画

ワールド・アパート(1988)
レインマン(1988)
ブラック・レイン(1989)
ドライビング Miss デイジー(1989)
デイズ・オブ・サンダー(1990)
グリーン・カード(1990)
バックドラフト(1991)
テルマ&ルイーズ(1991)
心の旅(1991)
ラジオ・フライヤー(1992)
プリティ・リーグ(1992)
トイズ(1992)
トゥルー・ロマンス(1993)
クール・ランニング(1993)
愛と精霊の家(1993)
勇気あるもの(1994)
ライオン・キング(1994)
ドロップ・ゾーン(1994)
クリムゾン・タイド(1995)
9か月(1995)
愛に迷った時(1995)
ブロークン・アロー(1996)
ザ・ファン(1996)
天使の贈りもの(1996)
ピースメーカー(1997)
恋愛小説家 (1997)
プリンス・オブ・エジプト (1998)
シン・レッド・ライン(1998)
エル・ドラド/黄金の都(2000)
グラディエーター(2000)
ミッション:インポッシブル2(2000)
プレッジ(2001)
ハンニバル(2001)
パール・ハーバー(2001)
神に選ばれし無敵の男(2001)
サンキュー、ボーイズ(2001)
ブラックホーク・ダウン(2001)
ザ・リング The Ring (2002)
ティアーズ・オブ・ザ・サン(2003)
パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち(2003)
マッチスティック・メン(2003)
ラストサムライ(2003)
恋愛適齢期(2003)
キング・アーサー(2004)
サンダーバード(2004)
シャーク・テイル(2004)
マダガスカル(2005)
バットマン ビギンズ (2005) - ジェームズ・ニュートン・ハワードとの共同制作
ニコラス・ケイジのウェザーマン(2005)
ダ・ヴィンチ・コード(2006)
パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト(2006)
ホリデイ(2006)
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド(2007)
ザ・シンプソンズ(2007)
カンフー・パンダ(2008) - ジョン・パウエルとの共同制作
ダークナイト(2008) - ジェームズ・ニュートン・ハワードとの共同制作
フロスト×ニクソン(2008)
あの日、欲望の大地で(2008)
マダガスカル2(2008)
天使と悪魔(2009)
恋するベーカリー (2009)
シャーロック・ホームズ(2009)
インセプション(2010)
幸せの始まりは(2010)
メガマインド(2010)
僕が結婚を決めたワケ(2010)
ランゴ(2011)
パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉(2011)
カンフー・パンダ2(2011) - ジョン・パウエルとの共同制作
シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(2011)
マダガスカル3(2012)
ダークナイト ライジング(2012)
マン・オブ・スティール(2013)
ローン・レンジャー(2013)
12 Years a Slave (2013)
ラッシュ/プライドと友情(2013)
Interstellar (2014)
 







2013年11月17日 (日)

★…[ きょうのサントラ ] 林ゆうき

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Vol.15
映画「ストロベリーナイト」よりメインテーマ


この音楽を早く取り上げてという声がたくさん来ていました。フジテレビ系列で放送されたドラマ「ストロベリーナイト」の音楽です。人気作家・誉田哲也(ほんだ・てつや)の警察小説「姫川玲子シリーズ」を原作にしたドラマで、シリーズ第1作の「ストロベリーナイト」を原作にした単発のスペシャルドラマが放送された後、「ソウルケイジ」、「シンメトリー」、「感染遊戯」を下敷きとした連続ドラマが始まりました。さらに2013年1月に「インビジブルレイン」を原作にした劇場版が公開されています。ドラマ&映画とも、姫川は竹内結子、相手方の菊田は西島秀俊でした。誉田の「姫川シリーズ」を私も大好きなのですが、西島演じる菊田は原作から私が思い描くイメージとはかなり違っていましたね。林ゆうきの音楽はピアノ・ソロで静かに始まりますが、その後、一転して音楽が湧き出してきます。間奏からのストリングスが重なってくる部分は、思索を重ねた末に新たなアクションを起こす…そんな場面に合うからか、他の番組のBGMでも時たま耳にします。NHK「プロフェッショナル」でも使っていましたね。



■■■ 作曲家の肖像

林ゆうき(はやし・ゆうき=1980年12月31日〜)
 林はまだ30代前半ですが、この3年ほどの間に「ラストマネー〜愛の値段」や「DOCTORS〜最強の名医」、「ストロベリーナイト」、「リーガル・ハイ」といった人気ドラマの音楽を手がけていて、これからの活躍が楽しみな若手作曲家です。出身は京都市。紫野高校時代に新体操の選手となり、その後に進んだ東洋大学では新体操の主将を務めているのですが、新体操ためのBGMの選曲といった作業を通じて音楽に興味を持ち、作曲を始めたというちょっと変わったキャリアを持っています。これからは、編成の大きな音楽にも取り組むといったことが課題になってくるのでしょうが、オフィシャル・ブログ「林ゆうき音楽制作所日誌=http://ameblo.jp/hayayu1231/」もあって創作活動に触れることもできます。


■■■ 主な作品:wikipedia参照

………TVドラマ

トライアングル(2009)共同:澤野弘之
BOSS(2009)共同: 澤野弘之/和田貴史
嬢王 Virgin(2009)
左目探偵EYE(2010)
絶対零度〜未解決事件特命捜査〜(2010)
タンブリング(2010)
パーフェクト・リポート(2010)
スペシャルドラマ ストロベリーナイト(2010)
絶対零度〜特殊犯罪潜入捜査〜(2011)
大切なことはすべて君が教えてくれた(2011)
BOSS 2ndシーズン(2011)
アスコーマーチ〜明日香工業高校物語〜(2011)
ラストマネー -愛の値段-(2011)
DOCTORS〜最強の名医〜(2011)
ストロベリーナイト(2012)
リッチマン、プアウーマン(2012)
リーガル・ハイ/第1シリーズ(2012)=共同:大野雄二
ストロベリーミッドナイト(2013)
ストロベリーナイト/アフター・ザ・インビジブルレイン(2013)
スペシャルドラマ リーガル・ハイ(2013)
リーガルハイ/第2シリーズ(2013)
リッチマン、プアウーマン in ニューヨーク(2013)
緊急取調室(2014)

………………ドラマ以外のTV番組
アスリートの魂(2012)

………映画音楽
ストロベリーナイト(2013)
神様のカルテ (2014)

2013年11月16日 (土)

★…[ きょうのサントラ ] ジョン・バリー

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Vol.14
映画「野生のエルザ」よりメインテーマ
 


最近このメロディーを耳にしませんか? そう、ある車のTVCMに使われていますね。実はあのメロディー1965年のイギリス映画「野生のエルザ」のメインテーマです。映画の原作は、ケニアの北部国境管理人だったジョイ&ジョージ・アダムスン夫妻のノンフィクション。夫妻とライオンの乳飲み子エルザとの心温まるエピソードが綴られた名作で、世界的ベストセラーを記録しました。TV版も作られて日本でも放送されたので小さい頃にそれを見ていたのかもしれません。あの音楽、妙に懐かしいのです。音楽を手がけたのは、イギリスの作曲家ジョン・バリーです。62年の「007 ドクター・ノオ」から「ジェームズ・ボンド」シリーズの音楽を手がけるようになり、いよいよメジャー路線に乗り始めた頃の音楽ですが、アフリカの雄大な風景をイメージさせながら、温かな人間味を伝える音楽に仕上がっていますね。彼はこの音楽と主題歌で、1966年のアカデミー賞の作曲賞と歌曲賞(作詞のドン・ブラックと共に)を受賞しています。アカデミー賞受賞はもちろん初、30代前半での受賞でした。



■■■ 作曲家の肖像

ジョン・バリー(John Barry=(1933年11月3日〜2011年1月30日)。

 父親が映画館や劇場を経営、母親はピアニストという家庭に育ち、9歳からピアノを弾き始めたというバリーは、長じてロンドンの音楽学校で作曲と楽器法を学びました。その後は兵役に応じて軍のバンドに入り、除隊後も軍隊の友人たちととR&Bのバンド「ジョン・バリー・セブン」を結成、演奏活動を続けていました。しかし、57年にEMIレコードと契約を結び、クリフ・リチャードといったアーティストのプロデュースやアレンジを手がけたことで、テレビや映画の音楽の世界に進出することになります。

 中でも「007/ジェームズ・ボンド」シリーズの曲は広く知られていますが、そのきっかけは「007 ドクター・ノオ」の主題曲の編曲を頼まれたことだったそうです。音楽はモンティ・ノーマンが手がけたのですが、プロデューサーのお気に召さなかったとか。それを機に毎年音楽を手がけるようになり、「007は殺しの番号」〜「007 ロシアより愛をこめて」〜「007 危機一発」〜「007 ゴールドフィンガー」〜「007 サンダーボール作戦」〜「007は二度死ぬ」〜「女王陛下の007」〜「007 ダイヤモンドは永遠に」〜「007 黄金銃を持つ男」〜「007 オクトパシー」と続きました。

 もちろん、それ以外にたくさん作品を書いていて、アカデミー賞は「野生のエルザ」の後も、68年に「冬のライオン」、85年に「愛と哀しみの果て」、90年に「ダンス・ウィズ・ウルブズ」で作曲賞を受賞しています。アカデミー賞以外に、ゴールデン・グローブ賞では85年に「愛と哀しみの果て」が音楽賞に輝き、63年に「007/ロシアより愛をこめて」、66年に「野生のエルザ」、74年に「ダブ」、79年の「ザ・ディープ」、85年に「007/美しき獲物たち」が歌曲賞を獲得しています。そうそう、70年には「真夜中のカーボーイ」でグラミー賞も受賞してました。

 また、英国アカデミー賞の作曲賞(アンソニー・アスキス映画音楽賞)を68年の「冬のライオン」で受賞して以来、作品が何度もノミネートされていて、2004年にはアカデミー友愛賞を受賞しています。手がけた作品のリストを見てみてください。知っている映画がたくさんありませんか? 文字通り英国を代表する作曲家でした。

 

■■■ 主な作品:wikipedia参照

 

 

………映画

1959年
狂っちゃいねえぜ (Beat Girl)
1960年
喰いついたら放すな (Never Let Go)
1962年
桃色株式会社 (The Amorous Prawn)
007 ドクターノオ
007は殺しの番号
1963年
007 ロシアより愛をこめて
007 危機一発(From Russia with Love)=主題歌はライオネル・バートの作曲
1964年
雨の午後の除霊祭 (Seance on a Wet Afternoon)
007 ゴールドフィンガー (Goldfinger)
ズール戦争(Zulu)
国際諜報局 (The Ipcress File)
1965年
キング・ラット(King Rat)
007 サンダーボール作戦(Thunderbal)
ナック(The Knack)
ジャングル・モーゼ(Mister Moses)
1966年
さらばベルリンの灯(The Quiller Memorandum)
逃亡地帯(The Chase)
野生のエルザ(Born Free)=アカデミー賞作曲賞受賞/歌曲賞受賞
1967年
007は二度死ぬ(You Only Live Twice)
1968年
冬のライオン(The Lion in Winter)=アカデミー賞作曲賞受賞/ゴールデングローブ賞ノミネート
華やかな情事(Petulia)
夕なぎ(Boom)
1969年
女王陛下の007(On Her Majesty's Secret Service = O.H.M.S.S.)
約束(The Appointment)
1970年
真夜中のカーボーイ(Midnight Cowboy)=グラミー賞受賞
最後の谷(The Last Valley)
モンテ・ウォルシュ(Monte Walsh)
1971年
クイン・メリー/愛と悲しみの生涯(Mary, Queen of Scots)=アカデミー賞ノミネート/ゴールデングローブ賞ノミネート
007 ダイヤモンドは永遠に(Diamonds Are Forever)
美しき冒険旅行(Walkabout)
マ-フィの戦い(Murphy's War)
1972年
フォロー・ミー(Follow Me)
1974年
ダブ(The Dove)=ゴールデングローブ賞ノミネート
007 黄金銃を持つ男(The Man with the Golden Gun)
夕映え(The Tamarind Seed)
1975年
イナゴの日(The Day of the Locust)
1976年
ロビンとマリアン(Robin and Marian)
キング・コング(King Kong)
1977年
ザ・ディープ(The Deep)=ゴールデングローブ賞ノミネート
ホワイト_バッファロー(The White Buffalo)
1978年
ベッツィー(The Betsy)
死亡遊戯(Game of Death)
スタークラッシュ 宇宙大戦争 (Starcrash)
1979年
ブラックホール(The Black Hole)
ハノーバー・ストリート/哀愁の街かど(Hanover Street)
007 ムーンレイカー(Moonraker)
ナイト・ゲーム(Night Games)
1980年
サンフランシスコ物語(Inside Moves)
ヤング・マスター/師弟出馬(Shi di chu ma)
ある日どこかで(Somewhere in Time)=ゴールデングローブ賞ノミネート
ラスト・レター(Touched by Love)
レイズ・ザ・タイタニック(Raise the Titanic)
1981年
白いドレスの女(Body Heat)
ローン・レンジャー(Legend of the Lone Ranger)=ゴールデンラズベリー賞作曲賞
1982年
女優フランシス(Frances)
ハメット(Hammett)
1983年
ゴールデン・シール(The Golden Seal)
ハイ・ロード(High Road to China)
007 オクトパシー(Octopussy)
1984年
コットンクラブ(The Cotton Club)
1985年
愛と哀しみの果て(Out of Africa)=アカデミー賞作曲賞
白と黒のナイフ(Jagged Edge)
007 美しき獲物たち(A View To A KIll)
1986年
ペギー・スーの結婚( Peggy Sue Got Married )
ゴールデン・チャイルド( The Golden Child )
ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀( Howard the Duck )
1987年
007 リビング・デイライツ( The Living Daylights )=(指揮者として出演)
1988年
マスカレード/甘い罠( Masquerade )
1990年
ダンス・ウィズ・ウルブズ(Dances with Wolves)=アカデミー賞作曲賞/ゴールデングローブ賞ノミネート
1992年
チャーリー(Chaplin)=アカデミー賞作曲賞ノミネート/ゴールデングローブ賞ノミネート
1993年
マイ・ライフ(My Life)
ルビー・カイロ(Ruby Cairo)
幸福の条件(Indecent Proposal)
1994年
スペシャリスト(The Specialist)
1995年
遥かなる夢ニューヨーク物語(Across the Sea of Time)
スカーレット・レター(The Scarlet Letter)
輝きの大地(Cry, the Beloved Country)
1997年
輝きの海(Swept from the Sea)
1998年
マイ・ハート・マイラブ(Playing by Heart)
マーキュリー・ライジング(Mercury Rising)
2001年
エニグマ(Enigma)

2013年11月15日 (金)

★…[ きょうのサントラ ] 千住明

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Vol.13
NHK大河ドラマ「風林火山」よりメインテーマ


大河ドラマ「風林火山」は井上靖の同名の小説を原作にしたドラマで、武田信玄の軍師として活躍した山本勘助の生涯を描いていました。この年は人気タレント・アイドルなどを極力排した配役で、主人公の山本勘助に内野聖陽、武田信玄に市川亀治郎(現在の市川猿之助ですね)、上杉謙信にミュージシャンのGacktといった顔ぶれを揃え、その脇を演技力のある役者で固めた重厚なドラマに仕上がっていました。武田と言えば、なんと言っても勇猛果敢な騎馬軍団、その存在を外すわけにはいきませんが、この勢いのある音楽を聞いていると、武田の騎馬軍団が突進していくイメージが湧いてきます。最後に音楽がまた盛り上がりますが、音楽は築き上げた武田の栄華が消え去って行くような儚さをまとっていて、非常にまとまりのよい仕上がりですね。携帯電話の着メロのランキングで上位に食い込むのも当然ですね。


■■■ 
作曲家の肖像

 千住明(せんじゅ あきら=1960年10月21日〜)  もう何年前になるでしょうか…。編集長をしていた音楽誌で、日本画家の博、作曲家の明、ヴァイオリニストの真理子の千住三兄姉で対談をしてもらったことがありました。その時の、千住家についての3人の議論の熱かったこと…。いまでも強烈に思えています。千住家の人たちは何事にもエネルギッシュなのです。

 千住明にしても、いったんは父親が教授を務めていた慶應義塾大学の工学部に進みましたが、音楽の道捨てがたく(高校在学中からバンド活動にのめり込んでいた!)、思い切って大学を中退、それから二浪して東京藝術大学の作曲科に進んでいます。そして、大学院を首席で修了するのです。その修了作品《EDEN》は大学の買上になりました(史上8人目!)。

 その後、1980年代後半から作曲家、編曲家としての活動が本格的に始まり、90年代に入ってからは八面六臂の活躍が続いています。テレビの音楽では、特に野島伸司脚本で話題になった作品の音楽を数多く手がけている他、1999〜2000年に放送されたNHK「日本映像の20世紀」、2004〜11年のTBS系「夢の扉〜NEXT DOOR」、そして、2007年のNHK大河ドラマ「風林火山」のテーマ曲を担当しています。

 また、映画の音楽では、96年の「わが心の銀河鉄道~宮沢賢治物語」、98年の「愛を乞うひと」、2003年の「黄泉がえり」で、日本アカデミー賞の優秀音楽賞を3度受賞。一方で、中森明菜の大ヒットカバー・アルバム「歌姫」、「艶華 -Enka-」などのプロデュースも担当、作曲家以外の仕事でも才能を発揮しています。


■■■ 主な作品(wikipedia参照)

………TVドラマ

誰かが彼女を愛してる(1992/フジテレビ)
高校教師(1993/TBSテレビ)
人間・失格〜たとえばぼくが死んだら(1994/TBSテレビ)
家なき子(1994/日本テレビ)
いつも心に太陽を(1994/TBSテレビ)
未成年(1995/TBSテレビ)
家なき子2(1995/日本テレビ)
世紀末の詩(1998/日本テレビ)
青の時代(1998/TBSテレビ)
聖者の行進(1998/TBSテレビ)
美しい人(1999/TBSテレビ)
君が教えてくれたこと(2000/TBSテレビ)
Summer Snow(2000/TBSテレビ)
[ドラマ家族模様]バブル(2001/NHK)
ストロベリー・オンザ・ショートケーキ(2001/TBSテレビ)
[連続テレビ小説]ほんまもん(2001/NHK)
恋を何年休んでますか (2001/TBSテレビ)
婚外恋愛(2002/テレビ朝日)
名古屋仏壇物語(2002/NHK)
高校教師(2003/TBSテレビ)
仔犬のワルツ(2004/日本テレビ)
砂の器(2004/TBSテレビ)
[NHK夜の連続ドラマ]結婚のカタチ(2004/NHK)
[日曜劇場]夫婦。(2004/TBSテレビ)
[日曜劇場]あいくるしい(2005/TBSテレビ)
[日曜劇場]恋の時間(2005/TBSテレビ)
[ドラマ・コンプレックス]戦国自衛隊・関ヶ原の戦い(2006/日本テレビ)
[大河ドラマ]風林火山(2007/NHK)
感染爆発〜パンデミック・フルー(2007/NHK)
[古代史ドラマスペシャル]大仏開眼(2010/NHK)
GOLD (2010/フジテレビ=池頼広と担当)
99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜(2010/TBSテレビ)
[ドラマスペシャル]心の糸 (2010/NHK)
[ドラマ10]激流〜私を憶えていますか?〜(2013/NHK)

………ドラマ以外のテレビ番組
[NHKスペシャル]世紀を越えて(1999〜2000/NHK=本多俊之、coba、アディエマスが制作に参加)
[NHKスペシャル]テクノパワー(1993/NHK)
映像の20世紀(1999〜2000/NHK)
夢の扉 〜NEXT DOOR〜 (2004〜11/TBSテレビ)
[みんなのうた]光のゲンちゃん (2008/NHK)
スーパー競馬 (1995〜2007/フジテレビ)
アイアンシェフ (2012/フジテレビ) 

………映画
りぼん~RE-BORN(1987)
226(1989)
ツルモク独身寮(1991)
東方見聞録(1992)
高校教師(1993)
ちびまる子ちゃん~わたしの好きな歌(1993)
家なき子(1994)
RAMPO~インターナショナル・ヴァージョン (1995)
わが心の銀河鉄道~宮沢賢治物語(1996)
タイム・リープ(1997)
愛を乞うひと(1998)
劇場版 幻想魔伝 最遊記(2001)
目下の恋人(2002)
クラッシュ(2003)
黄泉がえり(2003)
ミラーを拭く男(2004)
鉄人28号(2005)
HINOKIO(2005)
この胸いっぱいの愛を(2005)
涙そうそう(2006)
象の背中(2007)
風が強く吹いている(2009)

………アニメ
ママは小学4年生(1992/日本テレビ)
機動戦士Vガンダム(1993~94/テレビ朝日)
沈黙の艦隊(1995/OVA)
B'T X ビート・エックス(1996/TBSテレビ)
鉄人28号(2004/テレビ東京)
雪の女王(2005/NHK総合)
RED GARDEN(2006/テレビ朝日)
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(2009/毎日放送)
テイルズ オブ ヴェスペリア~The First Strike~(2009/角川配給)
革命機ヴァルヴレイヴ(2013/毎日放送)

2013年11月 9日 (土)

★…[ きょうのサントラ ] エンニオ・モリコーネ

 

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Vol.12
映画「ミッション」から「Gabriel's Oboe」


この美しいメロディーを聞くと、本当に心洗われます。「天国的な響」とか「天井の調べ」といった言葉が浮かんできますね。1986年のイギリス映画「ミッション」はローランド・ジョフィが監督した作品で、舞台はスペインの植民地だった1750年代の南米です。オーボエを吹いているガブリエル(ジェレミー・アイアンズ)は伝道のためイグアスの滝の上にある教会に赴任したイエズス会の神父。そして、ガブリエルによって改悛して信仰の道に入った元奴隷商人メンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)。二人はスペインとポルトガルの植民地争奪戦に巻き込まれながらも、布教という形を通じてあくまで信念を貫こうとする。その姿が観る者の心を揺さぶる感動作でした。1986年度の「カンヌ国際映画祭」でパルム・ドール、アカデミー賞の撮影賞、ゴールデングローブ賞の脚本賞を受賞しています。音楽を手がけたエンニオ・モリコーネは、ニーノ・ロータ亡き後の、イタリア最後の大物作曲家です。




 ■■■ 作曲家の肖像

 エンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone=1928年〜)

 モリコーネは、ニーノ・ロータ(Nino Rota=1911〜79年)亡き後の、イタリア最後の大物作曲家です。ローマ生まれで地元のサンタ・チェチーリア音楽院で作曲技法を学び、1950年代末から映画音楽を手がけてきた大ベテランで、60年代はセルジオ・レオーネ監督の「マカロニ・ウェスタン」シリーズ(「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」、「さすらいのガンマン」などですね!)で時代を席巻しました。


 しかし、その名を一躍高めたのは71年の映画「死刑台のメロディ」の音楽でしょう。「サッコ=バンゼッティ冤罪事件」を取り上げた映画の挿入歌をジョーン・バエズが「勝利への讃歌」として歌って世界的な大ヒットとなりました。その後も、年に何作品も手がける旺盛な創作活動が続いていて、78年の「天国の日々」86年のこの「ミッション」、87年の「アンタッチャブル」、91年の「バグジー」、2000年の「マレーナ」はいずれもアカデミー賞にノミネートされ、07年には第79回アカデミー賞で名誉賞を受賞しています。


 そんな彼の、最大のヒット作はきっとこの音楽でしょう、89年の「ニュー・シネマ・パラダイス」の音楽です。中年の男性が映画に魅せられた少年時代と青年時代の恋愛を回想する物語を描いた映画自体も大ヒットしましたが、その心温まるモリコーネの音楽はその後、世界中の演奏会単独で演奏されています。

 ■■■ 主な作品(wikipedia参照)

………映画

赤い砂の決闘(1963)
荒野の用心棒(1964)
夕陽のガンマン(1965)
夕陽の用心棒(1965)
続・荒野の1ドル銀貨(1965)
さすらいのガンマン(1966)
続・夕陽のガンマン(1966)
復讐のガンマン(1967)
血斗のジャンゴ(1967)
テオレマ(1968)
殺しが静かにやって来る(1968)
ウエスタン(1969)
シシリアン(1969)
ラ・カリファ(1970)
狼の挽歌(1970)
真昼の死闘(1970)
ガンマン大連合(1970)
死刑台のメロディ(1971)
デカメロン(1971)
わが青春のフロレンス(1971)
夕陽のギャングたち(1971)
殺人捜査(1971)
進撃O号作戦(1973)
エスピオナージ(1973)
ペイネ 愛の世界旅行(1974)
アラビアンナイト(1974)
ソドムの市 (1975)
ミスター・ノーボディ(1975)
1900年(1976)
オルカ(1977)
エクソシスト2(1977)
天国の日々(1978)
Mr.レディMr.マダム(1978)
エーゲ海に捧ぐ(1979)
華麗なる相続人(1979)
華麗なる女銀行家(1980)
Mr.レディMr.マダム2(1980)
遊星からの物体X(1982)
ホワイト・ドッグ(1982)
サハラ(1983)
パリ警視J(1983)
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984)
スキャンダル・愛の罠(1985)
レッドソニア(1985)
Mr.レディMr.マダム3 ウエディングベル(1985)
ミッション(1986)
アンタッチャブル(1987)
フランティック(1988)
ニュー・シネマ・パラダイス(1988)
カジュアリティーズ(1989)
アタメ(1990)
みんな元気(1990)
ステート・オブ・グレース(1990)
ハムレット(1990)
夜ごとの夢/イタリア幻想譚(1991)   
バグジー (1991)
シティ・オブ・ジョイ(1992)
鯨の中のジョナ(1992)
ザ・シークレット・サービス(1993)
ウルフ(1994)
ディスクロージャー(1994)
明日を夢見て(1995)
ロリータ(1997)
Uターン(1997)
海の上のピアニスト(1998)
ブルワース(1998)
オペラ座の怪人 (1998)
ミッション・トゥ・マーズ(2000)
宮廷料理人ヴァテール(2000)
マレーナ(2000)
リプリーズ・ゲーム(2002)
題名のない子守唄(2006)
U.N.エージェント(2008)
シチリア!シチリア!(2009)
鑑定士と顔のない依頼人(2013)








2013年11月 7日 (木)

★…[ きょうのサントラ ] 久石譲

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VOL.11
映画「おくりびと」からメインテーマ


チェリストとして生きることに見切りを付けて故郷に帰り、ひょんなことから納棺師となった主人公が特殊な仕事に戸惑いながらも、次第に人の死に寄り添い、そして故人を送り出すことにことに大きな意義を見出していく…。2008年に公開された映画「おくりびと」は、「木村家の人びと」、「陰陽師」などを手がけた滝田洋二郎の監督作品で、主人公の小林大悟に本木雅弘、その妻の美香に広末涼子を起用。その脇を吉行和子、山崎努、余貴美子、笹野高史、杉本哲太らが固め、心温まる映画に仕上がっていました。日本の映画として初めてアカデミー賞の外国語映画賞を受賞した他、モントリオール世界映画祭でグランプリを獲得、第32回日本アカデミー賞でも最優秀作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞など主要な賞を総なめにしました。スクリーンの中には穏やかで静かな時間が流れますが、それ寄り添うように音楽も、チョロの音色が人を包み込むような優しい仕上がりです。




 ■■■ 作曲家の肖像

久石譲(ひさいし・じょう=1950年12月6日〜)

 公開中の宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」は主題歌こそ荒井由実の「ひこうき雲」ですが、映画の音楽そのものは久石譲です。そして彼こそ、スタジオ・ジブリの映画の音楽をすべて手がけている作曲家なのです。最初に手がけた84年の高畑勲監督の映画「風の谷のナウシカ」は、作曲家としての彼の出世作になりましたが、それ以来、「天空の城ラピュタ」、「となりのトトロ」、「魔女の宅急便」、「紅の豚」、「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」、「ハウルの動く城」、「崖の上のポニョ」…。誰もが知るその心温まるそのメロディーは、どれだけ多くの日本人の琴線を揺さぶってきたでしょう。


 もちろん、他にも手がけてきた音楽はたくさんあり、1992年から3年連続で「日本アカデミー賞」の最優秀音楽賞を受賞しています。92年は「あの夏、いちばん静かな海」で、「仔鹿物語」、「ふたり」、「福沢諭吉」、93年は「青春デンデケデケデケ」で、94年は「ソナチネ」、「はるか」、「ノスタルジィ」、「水の旅人」、「侍KIDS」…。作曲界の第一線に立ってからの創作ペースは驚異的です。98年には1997年度芸術選奨新人賞(大衆芸能部門)を受賞しています。


 2000年代に入ってさらに旺盛な活動が続き、04年には日本の作曲家としては初めて「カンヌ国際映画祭」のオープニング・セレモニーの音楽と指揮を担当。05年には「ハウルの動く城」がロサンゼルス映画批評家協会賞最優秀音楽賞を受賞しています。07年に手がけた韓国ドラマ「太王四神記」の音楽が米国の「国際映画音楽批評家協会賞」テレビ部門ベスト・オリジナル・スコア賞を受賞。またこの年、中国映画「姨媽的后現代生活(おばさんのポストモダン生活)」の音楽で第27回「香港電影金像奨」の最優秀音楽賞も受賞しました。


 そして、09年…。それまでの功績が認められて紫綬褒章を受章。年の瀬からは音楽を手がけたNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」の放送が始まりました。劇伴を手がける作曲家にとって、NHKの大河ドラマの音楽は節目の仕事です。しかし、これだけの実績がありながら、不思議なことに久石は一度も手がけたことがありません。その彼が3年に渡って放送された“拡大版大河ドラマ”の音楽を手がけた、まさに大逆転ホームランでしょう。加えてこの年、音楽を担当した映画「おくりびと」が、日本の映画としては初めてアカデミー賞の外国語映画賞を受賞しました。


 ■■■ 主な作品(wikipedia参照)

………映画
咽び唄の里 土呂久(1976)
人魚がくれたさくら貝(1980)
テクノポリス21C(1982)
オズの魔法使い(1982)
風の谷のナウシカ(1984)
Wの悲劇(1984)
早春物語(1985)
春の鐘(1985)
グリーン・レクイエム(1985)
天空の城ラピュタ(1986)
アリオン(1986)
熱海殺人事件(1986)
めぞん一刻(1986)実写版
恋人たちの時刻(1986)
漂流教室(1987)
この愛の物語(1987)
ドン松五郎の大冒険(1987)
となりのトトロ(1988)
極道渡世の素敵な面々(1988)
魔女の宅急便(1989)
ヴイナス戦記(1989)
釣りバカ日誌2(1989)
カンバック(1990)
ペエスケ ガタピシ物語(1990)
タスマニア物語(1990)
あの夏、いちばん静かな海。(1991)
仔鹿物語(1991)
ふたり(1991)
福沢諭吉(1991)
青春デンデケデケデケ(1992)
紅の豚(1992)
はるか、ノスタルジィ(1992)
ソナチネ(1993)
水の旅人 侍KIDS(1993)
女ざかり(1994)
キッズ・リターン(1996)
もののけ姫(1997)
パラサイト・イヴ(1997)
HANA-BI(1998)
時雨の記(1998)
菊次郎の夏(1999)
川の流れのように(2000)
はつ恋(2000)
千と千尋の神隠し(2001)
BROTHER(2001)
プセの冒険 真紅の魔法靴(2001)
Quartet カルテット(2001)監督・脚本も担当)
4MOVEMENT(2001)監督・プロデュースも担当)
めいとこねこバス(2002)
Dolls(2002)
Castle in the sky[33](2003)
壬生義士伝(2003)
ハウルの動く城(2004)
男たちの大和/YAMATO(2005)
トンマッコルへようこそ(2005)
西遊記リローデッド(2005)
おばさんのポストモダン生活(2006)
マリと子犬の物語(2007)
日はまた昇る(2007)
崖の上のポニョ(2008)
おくりびと(2008)
私は貝になりたい(2008)
Sunny et L’elephant(2008年、フランス)
ウルルの森の物語(2009)
悪人(2010)
海洋天堂(2010)
肩の上の蝶(2011)
天地明察(2012)
スイートハート・チョコレート(2012)
東京家族(2013)
奇跡のリンゴ(2013)
風立ちぬ(2013)
かぐや姫の物語(2013)
小さいおうち(2014)

………TVドラマ
消防官物語・風に立て(1981)
東芝日曜劇場『伝言』(1988)
[NHKスペシャル]驚異の小宇宙 人体(1989)
ネットワークベイビー(1990)
NASA 未来から落ちてきた男(1991)
世にも奇妙な物語・冬の特別編『さよなら6年2組』(1991)
[NHKスペシャル]驚異の小宇宙 人体II 脳と心(1993)
人間ビジョンスペシャル『森が歌う日 魚が帰る』(1993)
連続テレビ小説「ぴあの」(1994)
時をかける少女(1994)
天空に夢輝き(1995)
よみがえる森の巨人(1995)
美しき大地と共に(1996)
奇跡の森の巨人(1997)
[NHKスペシャル]驚異の小宇宙 人体III 遺伝子(1999)
小さな駅で降りる(2000)
風の盆から(2002)
七子と七生(2004)
太王四神記(2007)
坂の上の雲(2009〜11)
[NHKスペシャル]世界初撮影!深海の超巨大イカ(2013)
[NHKスペシャル]シリーズ 深海の巨大生物(2013)
女信長(2013)

………TVテーマ曲
兼高かおる世界の旅(1981)
華の別れ 主題歌「冬の旅人」(1989年、東海テレビ)※歌も本人による
南極大陸1万3000キロ 「White Island」(1989)
大人は判ってくれない オープニングテーマ「君だけを見ていた」(1992)
列島リレードキュメント(1993)
日曜美術館 「Sunday」(1995)
金曜ロードショー オープニングテーマ「Cinema Nostalgia」(1997)
第39回日本レコード大賞(1997)
大アフリカ 「ADZIDA」(2000)
世界美術館紀行 「Musee Imaginaire」(2003)
美の京都遺産 「Legend」(2005)
テレビ50年 戦後60年特別企画「ヒロシマ」 「いのちの名前」(2005)
シリーズ世界遺産100 「世界遺産100のテーマ」(2006)
家族の時間(2006)
新春スポーツスペシャル箱根駅伝 「Runner of the Spirit」(2009)
第60回NHK紅白歌合戦 オリジナルソング「歌の力」(2009)







2013年11月 6日 (水)

★…[ きょうのサントラ ] ニーノ・ロータ

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[きょうのサントラ]テレビや映画で背景に流れている音楽。業界ではそれを「劇伴」と呼ぶ。オープニングの音楽から細切れの音楽まで、印象に残った音楽の数々をきょうも紹介します!

VOL.10
映画「ゴッドファーザーPART II」からメインテーマ



アカデミー賞史上初めて、本編と続編ともに「作品賞」受賞という金字塔を打ち立てた「ゴッドファーザー」は、イタリアの巨匠ニーノ・ロータ(Nino Rota)の、あの音楽抜きに語れません。ところが…。「PART1」のあのメロディーが昔の映画で使われていたという匿名の告発があり、その件で作曲賞にノミネートされながら失格となったのです。確かに57年の「Fortunella」という映画の中に彼の手になるよく似たメロディーがあります。しかし、それはバンドによって早いテンポで演奏されています(暴走族のパラパラというクラクションのような感じです)。一方、「ゴッドファーザー」ではテンポがグッと落ち、哀愁や翳りを感じさせるまったく別物の音楽に仕上がっています。そんなことで失格となり、作曲家としてプライドを傷付けられた彼の怒りやいかに…。彼の凄いところは、その2年後の「PART2」の音楽でアカデミー賞の作曲賞を受賞したことでしょう。実に見事なリベンジです。





 ■■■ 作曲家の肖像

ニーノ・ロータ(Nino Rota=1911〜79年)

 映画音楽は趣味に過ぎないと言い放ちながらも、クラシック音楽の作曲と同時に150本を超える映画の音楽を書いたイタリアの大巨匠、それがロータです。ミラノ生まれで、11歳でオラトリオ、13歳でオペラを作曲し、ミラノ音楽院でイルデブランド・ピツェッティ、その後、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院でアルフレード・カゼッラに学んでいます。さらに名指揮者のアルトゥール・トスカニーニの薦めで渡米、フィラデルフィアのカーティス音楽院でロザリオ・スカレロから作曲法、大指揮者フリッツ・ライナーから指揮法を学んでいます。また、帰国後、改めてミラノ大学で文学と哲学を学んでいます。いわば、クラシック音楽の作曲家としてのキャリアもピカイチなのです。

 大学卒業後は音楽教師となり、その傍ら、クラシック音楽の作曲家として活動を開始。毎年のように現代音楽の新作を発表していきます。そんな彼が本格的に映画の音楽を手がけるようになったのは、1951年に新進映画監督として注目を集めていたフェデリコ・フェリーニと出会ったことがきっかけでした。その後、「道」や「甘い生活」、「8 1/2」といった彼の映画の殆どの音楽を手がけることになります。「道」の音楽は哀愁を帯びたトランペットによるメインテーマが “ジェルソミーナのテーマ”としても知られていますが、2010年に行われたバンクーバー冬季五輪で男子フィギュアスケートの高橋大輔選手が使った曲で耳にした人も多いのではないでしょうか。

 もちろん、フェリーニ作品以外にも数多く名作を書いています。「太陽がいっぱい」、「山猫」、「ロミオとジュリエット」、「ゴッドファーザー」、「ゴッドファーザーPART2」…。映画音楽の多くは、映像が先に出来ていて、それに音楽を付けるというパターンが多いのですが、ロータの場合、それまでに作っていた音楽をそのまま映画に使われることも多かったと言われています。例えば、ルキノ・ヴィスコンティ監督の名作「山猫」の音楽は、監督の希望で彼の未完成に終わった初期の交響曲「青春の主題による変奏曲」の転用です。また、あのリリカルで切ない「ロミオとジュリエット」の音楽も、舞台用に別に作っていた宮廷音楽風の歌曲「青春とは」という曲のメロディーをそのまま使ったそうです。映画の中で、ロミオの友人である青年ベンヴォーリオによって歌われている歌がそれですね。いかに彼の音楽の完成度が高かったか…それが伝わってくる話です。

 ■■■ 主な作品(wikipedia参照)

………映画

白い酋長(1951)
青春群像(1953)
道(1954)
崖(1955)
戦争と平和(1956)
カビリアの夜(1957)
甘い生活(1959)
太陽がいっぱい(1960)
ボッカチオ'70(1962)
8 1/2(1963)
山猫(1963)
魂のジュリエッタ(1965)
じゃじゃ馬ならし(1967)
ロミオとジュリエット(1968)=ゴールデングローブ賞作曲賞ノミネート
世にも怪奇な物語(1968)
サテリコン(1969)
ワーテルロー(1970)
フェリーニの道化師(1971)
フェリーニのローマ(1972)
ゴッドファーザー(1972)
フェリーニのアマルコルド(1973)=アカデミー賞作曲賞ノミネート/ゴールデングローブ賞作曲賞受賞
ゴッドファーザー PARTII(1975)=アカデミー賞作曲賞受賞/ゴールデングローブ賞作曲賞ノミネート
カサノバ(1976)
ナイル殺人事件(1978)
ハリケーン(1979)
オーケストラ・リハーサル(1979)

2013年11月 5日 (火)

★…[ きょうのサントラ ] 服部隆之

 

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Vol.9
TVドラマ「華麗なる一族」からメインテーマ


服部隆之(はっとり・たかゆき)は祖父が服部良一、父が服部克久という音楽界のサラブレッド。パリの国立高等音楽院に留学し、大学院を修了して1988年に帰国してから作曲活動を本格化させましたが、90年代後半からテレビ、映画の世界で引っ張りだこです。2007年のTVドラマ「華麗なる一族」は、先日亡くなった山崎豊子の小説が原作。勃興する日本経済の中で、阪神銀行を頂点とした万俵コンツェルンを率いる万俵大介の飽くなき野望を描き、複雑な家庭の中で繰り広がれる父と子の愛憎を抉っています。1974年にフジテレビ系で一度ドラマ化されていますが、新しいTBS版は、主人公で阪神特殊製鋼専務の万俵鉄平に木村拓哉、その父親の万俵大介に北大路欣也、その愛人の高須相子に鈴木京香を起用したキャスティングでした。華麗にして壮絶な万俵の歴史を音楽で回想するような重心の低い重厚な音楽、国家建設の槌音が響いてくるような力強さを感じさせる勇壮な曲に仕上がっています。




 ■■■ 作曲家の肖像

服部隆之(はっとり・たかゆき=1965年11月21日〜)

 先日で終わったTVドラマ「半沢直樹」、凄い人気でしたね。堺雅人が演じた主人公もアグレッシブでしたが、テーマ音楽も、そのキャラクターに負けず劣らずで、挑戦的なイメージと、どことなく陰謀を巡らせてるイメージが漂ってました。書いたのは、服部隆之(はっとり・たかゆき=1965年〜 )。祖父が服部良一、父が服部克久という音楽界のサラブレッドで、パリの国立高等音楽院(いわゆる、コンセルヴァトワールというやつです!)に留学し、大学院修了後の1988年に帰国してからアレンジャー、作曲家としての活動を本格化させました。劇伴の作曲デビューは、1990年にドラマ「代表取締役刑事」。その後は、テレビ、映画の世界で引っ張りだこになり、96年に「蔵」で、98年には「ラヂオの時間」と「誘拐」で「日本アカデミー賞」優秀音楽賞を受賞しました。

  しかし、もっと凄いのはテレビの話題作を数多く手がけていることでしょう。とくにフジテレビ系は総なめと言っていいほどの出ずっぱりです。「お金がない!」に始まり、「王様のレストラン」、「総理と呼ばないで」、「お仕事です!」、「TEAM」、「HERO」「天才柳沢教授の生活」、「のだめカンタービレ」、「わが家の歴史」…。他局でも「夜に抱かれて」、「高校生レストラン」、「義務と演技」、「すずらん」、「精霊流し~あなたを忘れない」、「鞍馬天狗」といった具合なのですが、どれも強い印象を残しています。そして忘れられないのが、2004年の大河ドラマ「新選組!」の音楽でしょう。当時売り出し中のテノール歌手、ジョン健ヌッツォが起用され、若々しさが前面に打ち出されていました。

 ■■■ 主な作品(wikipedia参照)

………映画

ヒーローインタビュー(1994)
ゴジラvsスペースゴジラ(1994)
藏(1995)=日本アカデミー賞・優秀音楽賞
誘拐(1997)=日本アカデミー賞・優秀音楽賞
ラヂオの時間(1997)=日本アカデミー賞・優秀音楽賞
ゴジラ2000 ミレニアム(1999)
GTO(1999)
みんなのいえ(2001)
NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE(2004)
電車男(2005)
ラフ ROUGH(2006)
椿山課長の七日間(2006)
7月24日通りのクリスマス(2006)
HERO(2007)
デトロイト・メタル・シティ(2008)
きな子〜見習い警察犬の物語〜(2010)
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(2011)
日本列島 いきものたちの物語(2012)

………テレビ

代表取締役刑事(1990/テレビ朝日)米光亮、矢野立美と共作
夜に抱かれて(1994/日本テレビ)
お金がない!(1994/フジテレビ)
最高の片思い(1995/フジテレビ)
王様のレストラン(1995/フジテレビ)
正義は勝つ(1995/フジテレビ)
義務と演技(1996/TBS)
将太の寿司(1996/フジテレビ)
こんな私に誰がした(1996/フジテレビ)
新・日曜美術館(1997/NHK)
総理と呼ばないで(1997/フジテレビ)
それが答えだ!(1997/フジテレビ)
新幹線'97恋物語(1997/TBS)
お仕事です!(1998/フジテレビ)
世界で一番パパが好き(1998/フジテレビ)
TEAM(1999/フジテレビ)
すずらん(1999/NHK)
傷だらけの女(1999/関西テレビ)
合い言葉は勇気(2000/フジテレビ)
HERO(2001/フジテレビ)
スタアの恋(2001/フジテレビ)
しあわせのシッポ(2001/TBS)
SmaSTATION!!(2001/テレビ朝日)
精霊流し〜あなたを忘れない〜(2002/NHK)
天才柳沢教授の生活(2002/フジテレビ)
おはよう!グッデイ(2002〜03/TBS)
ぴったんこカン・カン(2003〜/TBS)
新選組!(2004/NHK)
JNNニュースの森(2004〜05/TBS)
みんな昔は子供だった(2005/関西テレビ)
のだめカンタービレ(2006/フジテレビ)
暴れん坊ママ(2007/フジテレビ)
華麗なる一族(2007/TBS)
李香蘭(2007/テレビ東京)
鞍馬天狗(2008/NHK)
太陽と海の教室(2008/フジテレビ)
THE世界遺産(2008〜/TBS)
婚カツ!(2009/フジテレビ)
わが家の歴史(2010/フジテレビ)
フェイク 京都美術事件絵巻(2011/NHK)
フックブックロー(2011/NHK)
高校生レストラン(2011/日本テレビ)
半沢直樹(2013/TBS)

………アニメ

機動戦艦ナデシコ(1996)
ゲキ・ガンガー3(1996)
機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-(1998)
バトルアスリーテス 大運動会(1997)
シスター・プリンセス(2001)
陸上防衛隊まおちゃん(2002)
キャプテンハーロック新(2003)
シナモン the Movie(2007)
ねずみ物語 〜ジョージとジェラルドの冒険〜(2007)
ティアーズ・トゥ・ティアラ(2009)
大正野球娘。(2009)
CØDE:BREAKER(2012)









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