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2013年11月26日 (火)

★…きょうのニュース解説 [ 11月25日 ] 中国が防空識別圏を設定

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 中国が動きました。日本の領土である尖閣諸島の上空を含む、東シナ海に一方的に防空識別圏を設定してきました。防空識別圏に他国の航空機が進入してきた場合、どこの国でも、戦闘機をスクランブル(緊急発進)させて領空侵犯を阻止します。日本もこれまで、防空識別圏に入ってくる中国機に対して航空自衛隊がスクランブルを重ね、退去させてきました。


 その日本の防空識別圏と重なるような形で中国が防空識別圏を設定した…中国の国防省は、圏内を飛ぶ各国の航空機に対して「国防省の指令に従うこと」、「飛行計画の提出を求める」といったが公告を出しました。また、従わない航空機には「防御的緊急措置を講じる」として、スクランブルを行うことも明らかにしています。つまり、一方的に設定した防空識別圏への進入を武力で排除すると言っているわけです。

 尖閣諸島をめぐって中国は、これまでも中国海警局の公船を尖閣周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)へ頻繁に進入させてきました。もう、それが当たり前画のようになっているため、ニュースにならないくらいの頻度です。そして、海警局の乗組員が中国漁船に対して立ち入り検査を行っています。もちろん、日本が管轄権を持つ海域での法執行は国際法違反と知っていてどこ吹く風。さもそのエリアで法執行を行っているかのように装う“やらせ行為”を繰り返し、既成事実の積み重ねを図ってきました。

 しかし、今回の動きはこれまでとは違い、力ずくでも現状を変更しようとする動きです。尖閣諸島をめぐる日中の対立を、武力で解決していくと宣言したに等しく、話し合いによる日本との関係改善を拒否するという意思表示です。日本の領空に中国機が侵入してきた場合、日本が躊躇なく撃墜命令を下せるかどうかといった問題がより顕在化するわけで、ある意味で日本への“宣戦布告”です。

 だからこそ、米国は日本以上に機敏に動き、ケリー国務長官、ヘーゲル国防長官、国家安全保障会議(NSC)が歩調を合わせて声明を発表。中国の一方的な行動は誤解と誤算による不測の事態の危険性を増大させる、とその行動を非難した上で、「尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用対象であることを米国は再確認する」、「日本を含む同盟・友好国と緊密に協議する」と、中国を強く牽制しました。加えて、防衛識別圏が重なった台湾と韓国も中国の行動に「遺憾の意」を表明しています。

 これに中国も応酬。日米の批判に対して、人民解放軍の機関紙「解放軍報」は25日、「国家主権を守ろうとする中国軍の決意を見くびってはいけない」という社論を掲載。その中で、「防空識別圏の設定にはどの国の許可もいらず、大国の顔色をうかがう必要はない」、「1969年に日本が防空識別圏を設定した行為こそが非常に危険で一方的な行為だ」と反論しています。また、中国共産党の機関紙「人民日報」系の「環球時報」は、「もし日本の戦闘機が中国の防空識別圏内で中国機の飛行を妨害するなら、中国の戦闘機も断固として日本の戦闘機の飛行を阻むべきだ」という主張を展開しました。

 チャイナ・ウオッチャーの間には「中国一流のブラフ(脅し)であり、宣言したけれど、実際にはスクランブルは行わない口先介入」という見方もあります。また、東京の中国大使館が今月8日、日本にいる中国人に対して、「緊急事態に備え、連絡先を登録するよう」ホームページなどで呼びかけたという話が「環球時報」のインターネット版や「京華時報」のニュースで表面化。一方で中国外務省が「無用な連想や過度な解釈をすべきではない」と思わせぶりに否定してみせていることも、日米を揺さぶるために一芝居打っているといった見方に繋がっています。もちろん、実際にそれで終わってくれる方が良いに決まっています。

 しかし…。日本航空や全日空など日本の航空各社が識別圏を通過する台北便や香港便などの飛行計画書を中国当局に提出したことが25日に明らかになりました。台湾も飛行計画書を中国当局に提出したことを認めています。既成事実の積み重ねるという彼らの巧妙な手口…。飛行計画を提出するという踏み絵を踏まされる航空各社も気の毒ですが、それが続けば、中国の尖閣の領有権を半ば認めてしまうことにもなり兼ねません。アメリカの航空会社がどうするか、そこが知りたいところですね。

 安倍首相は25日の参院決算委員会で「尖閣諸島の領空があたかも中国の領空であるかのごとき表示で、全く受け入れることができない。一切の措置の撤回を求めている」と改めて中国を強く非難。外務省の斎木事務次官も中国の程永華(チョン・ヨンホワ)大使を呼び、改めて撤回を求めました。

 しかし、そういう抗議行動だけでは…。既成事実が積み上がることで、細かい事情や歴史を知らない欧米の知人たちの間では最近、「日本と中国は尖閣諸島をめぐって領土問題を抱えている」という認識が定着しつつあります。向こうのニュースには「中国の公船と海上保安庁の巡視船が揉み合っている短い映像」しか流れないのですから、そういう印象を持つのも当然でしょう。

 日本の防空識別圏はこれまで多くの国に認められてきました(あの韓国でさえも)。なのに武力を背景に強引にその変更を迫る中国の行為は“侵略”そのものです。中国はまず無人偵察機あたりを日本の領空に進入させてくると思いますが、スクランブルに上がった自衛隊機は国際法で定められた手順に則って粛々と撃墜すべきです(
日本の正当性を伝えるため、撃墜する映像を公開するということも必要)。領空侵犯を続けた大韓航空機が旧ソ連軍の戦闘機によって撃墜された時です。撃墜されたのは民間機、乗っていた乗員、乗客全員が犠牲になる痛ましい事件でしたが、国際法で定められた手順に則ったギリギリの判断だったことが解ると、国際的な批判は止みました。

 そしてその一方で、中国の“侵略”については、日中で話し合いをするのではなく、国連の安保理事会に話を持って行くべきです。中国がいかに危険なことを仕掛けているか、それを国際社会に広く理解してもらい、日本の主張を堂々と世界に問う必要があります。その過程で、日本の領有の正当性も広く世界に浸透していくことでしょう
。もう少し先になると思っていたのですが、尖閣問題は中国が先に動いたことで、どうやらここが天王山です。ここで引くと、中国に譲歩せざるを得なくなります。


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