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2013年10月 8日 (火)

★…丹南倫理法人会で「天皇制と女性宮家」というテーマで講演


 きょうは丹南倫理法人会が行っている朝の6時からのモーニングセミナーに招かれ、「天皇制と女性宮家」というテーマで話をしてきました。約30人の人の前で話をしてきたのですが、早い時間にもかかわらず、私の話を熱心に聞いてくれました。終わって朝食をご一緒したのですが、みなさん朝から本当に精力的で圧倒されました。話した内容は以下の通りです。

●なぜか消えた女性宮家の話

 ついこの間まで、「女性宮家」の創設という言葉をよく耳にしました。民主党政権下の昨年2~7月にかけ、ジャーナリストや有識者ら10人を招いて「皇室制度に関する有識者ヒアリング」が行われ、ちょうど1年前の10月5日には「女性宮家」の創設についての論点整理も政府から発表されました。

 ところが…。最近、この「女性宮家」という言葉を聞かなくなりました。なぜでしょう。それは、いまの安倍政権がこれまでの天皇制を、これまでのスタイルで維持したいと考えているため、それを変えることに繋がる「女性宮家」の創設に力を入れなくなったからです。ではなぜ、「女性宮家」の創設が、これまでの天皇制のスタイルを変えることに繋がるのか、それを考えましょう。

●「女性宮家」は「婿を迎える」宮家

 そのためにはまず、「女性宮家」とは、どんなものかを知らないといけません。「女性宮家」とは? 簡単に言ってしまえば、一般人の世界のように「婿を迎える」ことで、「家を継いでもらう」宮家です。

 というのも、皇室のことを取り決めている法律である「皇室典範=こうしつてんぱん」では、女性皇族は、結婚されると「臣籍降下=しんせきこうか」され、皇族でなくなるからです。

 では、ここで質問です、いま宮家はいつくあるでしょう? 答えは………天皇家を含めると、常陸宮家、秋篠宮家、三笠宮家、桂宮家、高円宮家の6家ですね。では、それぞれの跡継ぎは………。天皇家の跡継ぎは? そう、皇太子殿下ですね。そしてそのお子さんは、愛子内親王です。

 しかし、女性皇族はいずれ「臣籍降下」される。いまのままでは皇太子家(東宮家)もいずれ廃絶ということになります。常陸宮家にはお子さんがいません。三笠宮家も、髭の殿下と親しまれ、宮家を嗣ぐはずだった寛仁(ともひと)殿下が昨年亡くなられました。桂宮家は宜仁(よしひと)殿下が当主ですが独身です。となると、それらの宮家も、いずれ廃絶されることになります。そして、このままでは、30年もすると、皇族は秋篠宮の悠仁(ひさひと)殿下だけになる可能性が大きいのです。

 そこで苦肉の策として考え出されたのが、女性皇族が結婚されても「臣籍降下」せず、「婿を迎える」ことで「家を継いで」もらおうというわけです。ところが、この「女性宮家」を作るための「婿を迎える」という方法が、これまでの天皇家、宮家の継承の在り方とまったく相容れないのです。どういうことか……。こと天皇家、宮家においては、長い歴史の中で「婿」を迎え入れたことがないのです。

●2700年以上続いてきた男系継承

 実は、天皇制は、父方の血を継いでいく「男系継承」 でシステムが維持されてきたのです。つまり、民間のように形式上の「家」を継いでいるわけではないのです。その点で、西欧の王室の王位継承ともまったく違います。良くも悪くもこれが今も続く天皇制の最大の特徴で、こうした皇位継承システムは世界でも日本にしかありません。もちろん、宮家にしても、父方の血の継承のためのスペアという意味合いを持っていますから、天皇家と同じようなスタイルで継承が続いてきました。

 では、天皇制はなぜ「男系継承」で繋いできたのか…。それは男性が「XY」、女性が「XX」という遺伝子を持っていて、男子は父から「Y」を、母から「X」を受け継ぎ、女子は父から「X」を、母から「X」を受け継ぐことに関係しています。つまり、女子は父から「X」しか引き継がないのです。
 [男子]父から「Y」を、母から「X」をもらう
 [女子]父から「X」を、母から「X」をもらう

 つまり、「男系による継承」とは、「Yの継承」でもあるのです。例えば、皇太子家の愛子さまは天皇になれますが、愛子さまには「Y」が継承されてないので、愛子さまの男子でも天皇にはなれません。ただ、戦後GHQの指令で廃止された11宮家の男子のような、「Y」を継承している男子と結婚されて、そこに生まれた男子には「Y」が引き継がれるので彼には継承権が生じます。愛子さまの女子が男系天皇の男子と結婚しても同じです。そう、愛子さまの血筋よりも、愛子さまの娘の夫の血筋が優先するということですね。

 ところが、「女性宮家」の創設に踏み切ると、宮家の話とはいえ、「婿による新しい男系」を迎えるという点で、時点で「Y」は婿方の「Y」に変わってしまいます。それはこれまでこだわってきた「男系継承」の放棄です。

 そして、次の代も、そのまた次の代も、また違った「Y」が入ってくる。そうなると、天皇家はどの血筋を継いでいるのか解りません。もう民間の「家」を継ぐスタイルと一緒です。そして、それが宮家の範囲ではなく、天皇家にまで及ぶと、天皇制の中味がすっかり変わってしまうことになりますね。
 そう説明すれば、天皇制をこれまでのスタイルで(つまり男系継承)を維持したいと考えている安倍政権が、それを変えることに繋がる「女性宮家」の創設に力を入れなくなった理由も解って貰えると思います。

●「女性天皇」と「女系天皇」は一字違いで大違い

 こういう話をすると、「しかし、女性の天皇がいたではないか」という人がいます。その通りで、実際に8人の「女性天皇」がいました。ただ、よく調べてみると、「男系継承」するために即位していることが解ります。お父さんの血を引いている息子が大きくなるまで、あるいは、孫に引き継がせるまで………お母さんがピンチヒッターに立つということです。そして、そういう形で即位した天皇を「女性天皇」と言います。一方、一字違いで「女系天皇」があります。これは母方の血を受け継いだ天皇のこと。一字しか違わないのでよく混同されますが、まったくの別物です。

 もう一つ、民間人から皇族になった女性はたくさんいます。日本人が錯覚していることの一つに、現在の皇后陛下が皇室に入った民間女性代一号と思われていることです。しかし、それは間違いで、昔から民間の女性はどんどん皇室に入っているのです。藤原氏、平氏、徳川氏しかり………。答えは簡単で、皇族の女子であろうが、民間の女子であろうが、「Y」の継承には影響がないからです。テレビドラマでは、どちらも同じような服を着て、同じような格好をしていますから混同しがちですが、貴族といえども、皇族の「Y」を受け継いでいない人は、あくまでも民間人なのです。

 もう一つ、「男系継承」を続けていることで、天皇制が女性差別のように思う人がいるかもしれません。ただ、よく考えてみてください………。民間の女性は結婚と同時に皇族になることが出来るのに、「男系継承」の天皇制の下では神武天皇の男系子孫以外を徹底して排除していて、男性で皇族になった人は一人もいません。つまり、ある意味とんでもない男性差別なのです。しかし、それも時の権力者と一体化することを防ぐためのアイデアで、「天皇はあくまで現世の権力者のものではなく、まったく単独の血筋で天皇として存在しなければならない」ということを担保するため、日本人が生み出した、素晴らしい知恵でもあるのです。

●綱渡りの天皇制

 とはいえ、「Y」の継承はそれほど簡単ではありません。そこで昔は側室制度があって、「Y」のコピーをとにかくたくさん作りました。昔は今と比べて、子供がちゃんと成人するところまで育つこと自体が難しかったからです。では、ここでまた質問です。明治天皇には子どもが何人いたでしょう? 答えは………15人ですね。しかし、15人のうち男子は5人、しかも、その5人の中で成人したのは、明治天皇の第3王子である大正天皇ただ一人というような状況だったのです。そして、その大正天皇は、明治天皇と昭憲皇太后との間の王子ではなく、明治天皇の側室である柳原愛子との間の王子でした。

 徳川家もこの天皇制と同じことをやり、側室を揃えた「大奥」を作りました。「大奥」は将軍がたくさんの女性と交わるためだけに作られたわけではなく、将軍の「Y」の継承を続けるために存在してきたのです。さらに将軍家以外に御三家(紀州・尾張・水戸)を作り、「Y」の継承を維持し、後年には御三卿(田安・清水・一橋)を作り、「血のスペア」をさらに厚くしています。それほどのことをしないと、「Y」の継承は維持できないというわけです。

 その意味では、いまも天皇制は綱渡り状況なのです。現状では、今上陛下→皇太子殿下→秋篠宮さま→悠仁(ひさひと)親王までは皇位継承順位が確定していますが、悠仁さまが子どもを設けられる前に亡くなってしまったら、あるいは悠仁さまのご夫妻に男子が誕生しなかったら…。天皇制の危機です。

 そこで「女性宮家」という話が浮上してきたわけですが、「女性宮家」を創設するのであれば、やはり「男系継承」と「女系継承」をどうするか、という問題を避けて通れません。やはり、そこに戻って来るわけです。

 「家」を継ぐのであれば、男子でも女子でも関係ないでしょう。つまり、西欧の王室のように、いわゆる「家」を継ぐスタイル、つまり、「Y」か「X」のどちらかを継いでいればいいのではないかという意見があります。そしてそれが認められるのなら、愛子さまへの皇位の継承も考えられます。

 一方で、天皇家を、そういう一般的な存在にしても良いのかどうかです。天皇制には「Y」を延々と引き継いできたからこそ価値がある、つまり、「生きた世界遺産」のようなものとして考え、これを壊してしまうのはもったいないと考えるのか。また、そうでなくなった天皇制は果たして支持されるのか、という疑問も湧きます。

 絶対に「男系継承」でなけえればならない、そう考える人たちからは、「男系継承」のための「血のスペア」であった旧皇族の人たちに皇族に復帰してもらうという声も上がっています。実にさまざまな意見があります。 

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