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2013年4月15日 (月)

★…きょうのニュース解説 [ 4月14日 ] 安倍首相が遺骨収集現場を視察


 安倍晋三首相が14日、小笠原の孤島・硫黄島を訪れました。今年度最初の「政府遺骨収集団」の作業を視察するためです。映画『硫黄島からの手紙』でも描かれた大戦末期1945年の島を巡る攻防戦では、栗林忠道大将率いる守備隊が玉砕、約2万1900人が戦死しました。しかし、戦後の遺骨収集は進まず、昨年24年度(2012年度)末で約1万150人分と、その半数に満たない状況でした。

 それが菅政権時代の平成22年度(2009年度)に予算が大幅に増額され、特命チームによる全島再調査の方針が決まったことで収集のピッチが上がりました。22年度には、米国立公文書館などの資料から島内2カ所に2千人規模の埋葬地があることが判明。その後、日本兵が立て籠もったとみられる壕なども新たに500カ所以上見つかりました。それもあって、22年度に822人分(前年度の16倍です!)、23年度に344人分、24年度に266人分という成果が出ています。

 こう書くと、政府は遺骨収集に一生懸命取り組んでいるようにみえます。しかし、硫黄島を除けば、実態はお寒い限りです。厚生労働省によると、沖縄と硫黄島を含む在外戦没者は約240万人。そして、そのうちまだ半分の約113万人の遺骨は未だ日本に帰っていません。政府による遺骨収集事業は昭和27年度(1947年度)に南方地域で始まり、平成3年度からはロシア・シベリアでも行われました。

 しかし、政府による大掛かりな遺骨収集作業は、実は昭和50年度(1980年度)で終了してしまっているのです。海没や北朝鮮などにあって収集困難な遺骨を除いて、約60万人分が収集可能と推定されながら、です。その後は、民間などから情報があった場合のみ収集しているという状況で、平成18年(2006年)度から「概ね3年間」の計画でフィリピン、東部ニューギニアなどで調査を行っているだけ。予算も約1億9800万円程度です。

 これに比べて、アメリカはハワイに米国防総省の「戦争捕虜・行方不明者捜索司令部=JPAC」の本部を置き、425人のスタッフを抱えて、太平洋戦争、朝鮮戦争などで行方不明となっている兵士約8万8000人の捜索と遺骨収集の作業をいまも続けています。5000万ドル(約55億円)という年間予算自体が、戦後日本が費やしてきた総額に匹敵する額です。

 ちゃんと成果も上がっていて、2007年6月には、硫黄島で行方不明になった1人の軍曹を捜すため、8人の調査チームを派遣されて調査に当たりました。また、今年3月には、サイパンで日本の政府収集団が日本兵の遺骨と一緒に米兵とみられる遺骨を発見、連絡を受けたJPACは、2日後にハワイから職員を派遣して遺骨を回収しています。

 国のためを想い、行くたくもない戦場に赴き、そこで散った命は帰って来ない。ならば、せめて遺骨の収集によって戦死者に報いるのが国の使命でしょう。遺骨をこのままにしておくということは「死んだ人たちは犬死」と言っているのと同じです。今回の調査について聞かれた遺族の方のコメントに「国からの赤紙1枚で問答無用で硫黄島に送られた。その遺骨は国の責任で帰すべきものだ」というものがありました。これに返す言葉がありません。

 日本の会社文化の中にはかつて、「骨は拾ってやる」という言葉が確実にありました。上司から部下に対して、後の責任は俺が持つから、お前は後顧の憂いなく、目の前の目標に全力投入で頑張ってくれ………という時に使わる言葉ですね。そんな言葉を持っていながら、この現状は何なのでしょう。空々しく聞こえます。

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