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2012年4月27日 (金)

★…連載:年金の話[3]どうなる官民一元化の行方


きょうもまた年金の話が出ました。年金の話題と言えば先日、厚生年金と国家公務員が入っている共済年金を一元化するための法案が国会に出されたところです。ところがこの法案、多くの識者から「5年前に自民、公明両党が提案した法案の焼き直し」と指摘される代物。しかも、5年前は民主党が反対して自らが潰した法案なのです。ブラッシュアップして出してきたものならまだしも、本当の「焼き直し」を性懲りもなく出してくるなんて…。その一方、実は一元化のスタートを遅らせたことへの反省も感じられません。

最大の問題は、「官民格差の最大の象徴」とされる「職域加算」の廃止が形だけなのです。年金についてはこれまで、「3階建て」と書いてきました。1階部分が「国民年金=基礎年金」、その上の2階部分が「厚生年金」、さらに上に積み上がる「企業年金」が3階部分です。「職域加算」とは、この3階部分のことです。そして、なぜこれが「官民格差の最大の象徴」なのかというと、厚生年金の場合は2階部分までの保険料が16.412%なのに、共済年金の場合は3階部分までの保険料で15.862%と低いからです。つまり、民間よりも安い保険料で、3階部分までの年金を受け取っているからです。

今回の法案では一応、「職域加算」廃止となっています。共済年金の保険料を段階的に上げていき、平成30年に厚生年金との格差を解消するとなっています。しかし、その一方で「廃止後、改めて新しい年金について法律を定める」となっています。これでは結局、「職域加算」が復活してしまいます。

もう一つ、自分たちに都合のいいことをやっています。拠出金の負担について、です。年金の一元化ということは、二つの財布を一つにすることですが、1、2階部分の支出についてぞれぞれ何年分の積立金を持っているかを比べると、厚生年金が4・2年に対して、共済年金は7・8年となっています。今回の統合案では、厚生年金に合わせることになりました。つまり、共済年金の積立金からは4・2年分の拠出しかしないのです。となると…。共済年金は3・6年分の積立金が余ります。なんとそれを、“職域加算の復活”の原資に使おうというのです。

ところが、実は、それは「今の時点で余っている」というだけの話なのです。本当は共済年金の方が、一足先に現役世代の負担率が厚生年金より高くなっているのです。一人分の年金を、厚生年金の場合は約2・4人で負担しているのに対して、共済年金は約1・5人。ですからよほど国家公務員が増えないと(ありえませんね、今後!)共済年金の財布は将来的に苦しくなっていくのです。なのに、そのための蓄えを使ってしまえ、とは。しかもそこには、積立金自体が元々は税金から支出されたものという感覚すらありません。そして、その負担も結局、一元化される厚生年金に回ってくるのです。そんなことは解り切っているはずです、聡明な彼らには。









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