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2012年3月

2012年3月31日 (土)

★…ニウスな夜、もう一日やります


 私が最近話題のニュースについて解説する「ニウスな夜」ですが、希望者からの問い合わせが多いので(「女性宮家の創設」をテーマにした第1回は以前報告した通りの盛り上がりだったのでリピーターが多いのです)、今回から翌日も同じことを話すようにして、どちらか都合の良い日に参加を願うことになりました。

 4月の例会は18日(水)、19日(木)、午後7時から話をします。店自体は参加者の希望で午後6時半に開け、フードメニューも出すことにしました。参加費は1ドリンク付で1000円。テーマは、「どうなる、橋下旋風」。橋下徹・大阪市長率いる「大阪維新の会」の大阪市政改革の現状と、国政進出をめざす彼らのこれからの方向性を探ります。

 参加希望者はメールでご連絡ください(figaro@j-artist.info)。 


2012年3月30日 (金)

★…連載:年金の話[1]厚生年金と国民年金の微妙な関係


 実は、店でいちばん聞かれるのは、「年金」の話です。月に1度の「ニウスな夜」で取り上げて解説して欲しいという人もいますが、一夜で解説できるかどうか自分でも自信が持てないほどの大きなテーマ。しかも、最近も「AIJの破綻」、「厚生年金の適用拡大」…。年金をめぐるニュースが続いています。そんな中で一つ、とても気になることがありました。そう、「AIJの破綻」のことです。

 AIJの破綻について、企業年金の運用を任されていた投資顧問会社の破綻ですから、そこにお金を預けていない人は、「まず自分には関係ない」と思ったはずです。企業年金というのは、基礎年金(=1階部分)、厚生年金(=2階部分)という「公的年金」 に加えて支給される、いわゆる“3階部分”。集まっていたお金はその原資です。なので預けていた人にとっても、1、2階部分に直接的な被害はないはずです。

 ところが、なのです。大きな落とし穴がありました。このAIJに集まっていたお金は、小さな基金から運用を任されていたお金なのですが、そうした小さい基金の多くが「厚生年金の代行部分」の運用も任せていたというのです。厚生年金の運用は本来は厚生労働省が運用するべきもの。ところが、現状は企業が厚生労働所に変わって運用することができることが認められおり、それを「厚生年金の代行運用」と呼んで常態化しています。つまり、AIJにお金の運用を任せていた基金の多くは、AIJの破綻で2階部分にも被害が出るのです。

 厚生労働省の国会答弁によると、AIJが溶かしてしまった(なくしてしまった)といわれる約2000億円が回収不能になると、お金を預けていた21の基金で「厚生年金の代行運用」部分に被害が出るという話です。そして、厚生労働省はその損出を、厚生年金全体で補填すると言っています。となると…。これは企業の年金運用の失敗が、厚生年金の加入者全員に均等に降りかかってくる、というわけです。

 昨年度末で、企業や団体によって作られている年金基金は全国に595。そのうち213の基金では運用の失敗で、3階部分だけでなく、2階部分にも損害が出ていると言われています。本来ならば、各基金の厚生年金の原資に損害が出れば、企業や団体がそれを補填しなくてはいけないはず。ところが、基金の多くは、それだけの体力のない企業や団体によって設立されていることが多く、それを補填できないままです。

 では、もう解散したら、という声も聞こえてきそうですが、現状では、その損害を補填しないと解散もできません。しかし、企業や団体側に補填する体力はない。進むも地獄、退くも地獄です。厚生労働省の調べでは、595の基金のうち、補填なく今すぐ解散できるところはわずか29。また、本来なら積み上がっているはずのお金は24兆円近いはずなのですが、現状では18兆円弱しかありません。言わずもがなですが、最終的にはその損出もやがて、厚生年金全体で補填するということになってくるのです。

 AIJの破綻によって、パンドラの箱が開けられてしまったという感じでしょうか。現状をこのまま放置しておくと大変なことになると教えてくれています。そして、運用会社の破綻は回り回って、結局は厚生年金全体に被害を及ぼすということ。厚生年金の加入者にとっては、決して他人事ではないのです。


2012年3月24日 (土)

★…ディーゼル・エンジン再評価[2]


 マツダが2月16日から発売を始めた新型SUV(=スポーツ用多目的車)CX-5の販売が好調です。ロシアやオランダを中心に海外でも人気が高く、マツダの山内社長は「年間の世界販売目標である16万台以上を達成できると確信している」と記者会見で語っています。

 発売からまだ1ヵ月ほどですが、日本でも累計受注台数はもう8000台と、月間販売目標の8倍にもなっているそうです。ここで注目したいのは、その73%をディーゼル車が占めているという事実です。ディーゼル・エンジンの再評価の表れと思います。


★…久々のジャズライブ


 きょうは楽しい一夜でした。久々のジャズ・ライブを店でやったのです。ジャズについて私はまったく門外漢なのですが、去年ライブをやったサックスの佐藤達哉さんがまた北陸ツアーを始めたと聞いて(とても素敵!)、今年も引き受けた次第です。共演はギターの高内春彦さん、ボーカルは江川裕美子さん。初登場の高内さんの(彼は松女優の松坂慶子の旦那さんとして有名なのですが…)天才的なギターテクニックと歌ごころ、江川嬢のボーカルも円熟味を増していて、満員の(数が入らないのでいつも大変!)とてもゴージャスな一夜になりました。

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2012年3月20日 (火)

★…映画「マーガレット・サッチャー〜鉄の女の涙」


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映画や読んでいる本について書けよ、という常連たちの声に応えたわけではないのですが、きょうは先週末に観た映画が予想外にびっくりの駄作だったので、その映画のことを書きます。タイトルに書いたのでお解りだと思うのですが、女優メリル・ストリープが今年のアカデミー賞の「主演女優賞」を受賞した「マーガレット・サッチャー〜鉄の女の涙」です。

私自身がメリル・ストリープのいつもはにかんだ演技自身が好きなので、彼女の受賞には文句の付けようのない演技だったと思います。しかし、作品全体となると、「何が言いたいのか」、それが最後まで解らない映画でした。彼女が偉大な政治家であったことなのか、政治家という肩書きを抜きにして素晴らしい人間だったのか、それも解らず仕舞いで不完全燃焼のまま劇場を後にした次第です。

なぜか。帰りながら考えたのですが、彼女が何をやったのか、それが描かれていないのです。彼女の、いわゆる「サッチャリズム」についてある程度知っている私が見ても、映画を見ただけでは、彼女が政治家としてどんな決断をし、どんな手を打ったのか、それが伝わってきません。あの描き方では、彼女が直面した問題、それをスクリーンの前の人間が共有できないのです。

彼女が直面した問題…、それが具体的に描かれてこそ、彼女の大変さが伝わってくると思います。しかし、あまりに漠然とした回想風な形でしか出てこないので「彼女にも大変なことがあったのに頑張ったのね」くらいしか伝わってきません。映画という時間的な制約があったにせよ、歴史的な事実関係の説明がもっと必要です。彼女の業績を知っている人には、その裏側を垣間見たような気になるかもしれませんが、知らない人には「?」。メリル・ストリープの演技に頼った一発芸的な映画で、作品賞をはじめ、「主演女優賞」以外の他の部門にノミネートされなかったことに安堵したくらいです。





2012年3月15日 (木)

★…ニウスな夜「第一夜」


 「最近のニュースをどうとらえたらいいのか、それを俺たちにも解るよう解説してくれよ」。そんな同級生H氏の言葉がきっかけで、私が時事ニュースを解説する月一回の「ニウスな夜」というのを立ち上げました。その第一夜がきのう14日の夜でした。

 今回のテーマは、つい先日も国会で取り上げられた「女性宮家の創設について」、です。まあ、テーマもテーマですから、当日まで何人が集まってくるのか疑問に思っていましたが、H氏の呼びかけもあって10人が参加してくれてびっくりです。それで私が40分ほど話をしたのですが、なんとそれから約2時間、参加者からずっと質問が続くではないですか。正直、ちょっとびっくりです。

 細かいことを書くとこれまた大変なのですが、話した概要はこんなことです。女性宮家を創設するということは、歴史上初めて男性を皇族に入れる、ということに踏み切ることを意味している→それを天皇家にも当てはめていくと、これまでの「男系天皇制」を放棄することになる→それは日本の天皇制の上で初めて「女系天皇制」となることを意味し、これまでとはまったく別のシステムで運営していくことになるのだ、という話です。 

 日本の天皇制は約2700年続いていますが、これまではずっと「男系天皇制」で運営されてきました。「男系天皇制」とは、男性天皇の子の男子、その男子の子の男子、そのまた男子の子の男子がそれを継いでいくシステムのことです。

 生物学的な観点から言うとこうなります。男性は「XY」、女性は「XX」という遺伝子を持っていて、男子は父から「Y」を、母から「X」をもらい、女子は父から「X」を、母から「X」をもらうのです。女子は父から「X」しか引き継がない。そこで、男子から男子に繋いで「Y」をリレーしていくというのが、「男系天皇制」なのです。

 なので「Y」が途切れるようなことがあっては一大事。そこで昔は側室制度があって、「Y」のコピーをたくさん作ってきました。昔は今と比べて、子供がちゃんと成人するところまで育つこと自体が難しく、それほど昔でもない明治天皇の時でさえ、15人の子供がいて、うち5人が男子でしたが、成人したのは大正天皇ただ一人というような状況だったのです。それでも駄目だった場合は、「Y」を引き継いでいる分家から跡継ぎを探してきました。良いも悪いも、これが今も続く天皇制の最大の特徴で、こういうシステムは、世界でも日本にしかありません。

 こういう話をすると、女性の天皇がいたではないか、という人がいます。実際、過去に8人の「女性天皇」がいました。しかし、調べてみると、天皇が若くして死んだ場合などの時に子供や孫が即位するまでの間を繋いだような形で天皇となっていることが解ります。そして、そういう形の天皇を「女性天皇」と言います。「女系天皇」とは文字が一字しか違いませんが、まったくの別物で、多くの場合、このことが混同されています。

 日本人が錯覚していることの一つに、現在の皇后陛下が皇室に入った民間女性代一号と思われていることです。これはとんでもない間違いで、藤原氏が権勢を振るっていた平安時代から、民間の女性はどんどん皇室に入っているのです。平家しかり。徳川家しかり。「Y」の継承には何の影響もないからです。

 一方、男性で皇族になった人は一人もいません。「男系天皇制」というと、女性差別のようにもみえますが、民間の女性は結婚と同時に皇族に入ることが出来るのに(藤原氏の娘たちのように)、「男系天皇制」の下では神武天皇の男系子孫以外を徹底して排除してきたわけです。とんでもない男性差別ですが、それは時の権力者と一体化することなく、天皇はあくまで現世の権力者のものではなく、まったく単独の血筋で天皇として存在しなければならない、ということを担保するための、日本人が生み出した知恵でもあるのです。

 女性宮家を導入すれば、国民も、ましてや政府も選べない婿が皇室に入ることになりますね。これまで引き継いだ「Y」が途切れることにもなります。すると、どうなるか。権力者の男子が婿として皇族となると、その時点で「Y」は権力者の「Y」に変わってしまいます。そして次の代も、そのまた次の代も、また違った「Y」が入ってくることにもなりますね。それではどの血筋が続いているのか解りません。そうなると、民間の「家」を継ぐ、という形と一緒になってしまいます。つまり、天皇制は、形式上の「家」を継いでいるのではなく、「Y」を引き継いでいるところが一般とまったく違い、西欧の王室の王位継承ともまったく違うのです。

 問題は、その点をどう考えるか、でしょう。「家」を継ぐのであれば、男子でも女子でも関係ありません。そういう一般的な存在にしても良いのか、どうかで、きのうも議論百出でした。天皇制を「生きた世界遺産」として考え、これをこれを壊してしまうのはもったいないという意見。「Y」を延々と引き継いできたからこそ価値があり、そうでなくなった天皇制は果たして支持されるのか、という意見。西欧の王室のように、いわゆる「家」を継ぐスタイルにしてしまえばいいのではないか、「Y」か「X」のどちらかを継いでいればいいのではないか、という意見。そうするにしても、第一子が「家」を次いで、第二子以降は男女の別なく皇族を離れていくのかーーそうしないと皇族はどんどん増えていってしまいます。それとも男子優先でいくのか、そうなると、それこそ「Y」のリレーもないのに男女差別をしていることになる…。

  幸いなことにこの夜、参加者たちには、「女性宮家」の創設は、まずは皇族の中での「男系」をやめ、やがてそれを天皇家にも広げるための布石という意味合いを持っているということはちゃんと伝わりました。どのスタイルを選ぶか、我々はそういう時代にいるということも。


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